パッケージ販売を採用した『Overwatch』追加マップやキャラクターはパッチで無料配信へ、ヒーロー選択型作品としては珍しいビジネスモデルに
Blizzard Entertainmentは、新作マルチプレイヤーFPS『Overwatch』への追加キャラクターやマップを、アップデートパッチとして無料で配信する予定であることを明らかにした。『Overwatch』は、Blizzardが十数年振りの完全新規IPとして開発を進めている注目作品だ。先日のイベント「BlizzCon 2015」ではパッケージ販売となることが明らかにされ周囲を驚かせたが、さらに主要な追加コンテンツも無料で配信する姿勢を見せている。
ディレクターのJeff Kaplan氏は、『Overwatch』コミュニティが気にかけている話題や問題へと返答する映像をYouTube上にて公開。その中で、ファンから追加キャラクターやマップが有料で配信されるのではないかという不安が広がっているとし、『Overwatch』では双方ともに無料でリリースされることを明言した。その一方で、現時点でコンテンツの配信時期など具体的なスケジュールは決定していないとしている。
なお現時点で無料配信と明言されているのは追加マップとヒーローのみであり、スキンなどが無料配信されるのか、またこれら以外の有料コンテンツが存在しないのかなどには触れられていない。
『League of Legends』や『Dota 2』、『SMITE』などのMOBAに代表されるヒーロー(チャンピオン)選択型のゲームでは、ビジネスモデルには「Free-to-Play」を採用し、ヒーローや彼らのスキンをインゲームマネーかリアルマネーにて購入できるようにするというのが現在では一般的だ。またこの手の作品のヒーローは、それぞれ異なる個性や外見、能力や物語を持っている。追加のヒーローを開発するにはアニメーション作成やボイス収録にバランス調整と、多大な時間とリソースが必要であり、パッケージ販売と考慮しても追加ヒーローを無料で配信するのは珍しいビジネスモデルだと言えるだろう。
ただなぜヒーローの使用に制限が無いのかに関しては、Jeff Kaplan氏が過去に海外メディアのインタビュー中で答えており、本作は「マッチ中のヒーローの切り替え」がコアとなっているためだと回答していた。相手チームの構成や試合中の状況に合わせてヒーローを変える”流動性”が『Overwatch』における特徴の1つのため、これを壊したくないKaplan氏の考えが今回の決定にも反映されているのかもしれない。
『Overwatch』はPC/PS4/Xbox One向けに2016年春リリース予定。国内ではスクウェア・エニックスがパブリッシングを担当しており、PS4版が税抜き7800円にて、またPCデジタル版がBattle.netにて発売される。どちらのバージョンにも21人のヒーローがすべて無料で収録されているという。