『Overwatch』ランクマッチの第2シーズンがPC向けに開始、格付け仕様変更とドイツ廃村舞台の新マップ
Blizzard Entertainment(以下、Blizzard)は1日、チーム対戦型FPS『Overwatch』(オーバーウォッチ)の最新アップデートを、PCおよびXbox One向けに配信した。先日、パブリックテスト環境(以下、PTR=Public Test Region)のパッチノートにて明らかにされた「ゲンジ」の弱体化に加えて、ランクマッチにおける格付けのスケールや若干のルール変更、そして「Gamescom 2016」にて発表された新マップ「Eichenwalde」が実装された。同時に、ランクマッチの第2シーズンが開幕した。なお、PlayStation 4に関しては、変更内容の多くが後日のパッチにて実装されるとのこと。
新マップ追加とランク仕様の変更で心機一転
『Overwatch』は、6人ずつのチームに分かれて計12人でオンライン対戦が楽しめる一人称視点のMOBA系アクション・シューティング。BlizzardがWindows/PlayStation 4/Xbox One向けにリリースした十数年ぶりの完全新規タイトルである。未来の地球を舞台に、多種多様な武器や装備、特殊能力を操るヒーローが登場するのが特徴で、キャラクターによって得意分野や役割分担が大きく異なる。先日のPTRアップデートで、これまで不動の強キャラだった「ゲンジ」がついに弱体化されたほか、「ゼニヤッタ」や「マーシー」をはじめ、多くのキャラクターにバランス調整が施された。
「Gamescom 2016」で公開された新マップ「Eichenwalde」は、ドイツ・シュトゥットガルトの郊外を舞台にした「アサルト」「エスコート」ルールの複合マップ。オムニック・クライシスの大戦で、「バルデリッヒ・フォン・アルダー」率いるクルセイダー部隊と戦闘オートマトン軍団が激戦を繰り広げた場所だ。兵力と火力で劣勢に立ったクルセイダー軍は奮闘の末に全滅。しかし、彼らの功績によりドイツ軍はオムニック軍を退けることに成功し、結果、戦争に勝利したと言われている。このマップのルールは、攻撃チームが破城槌をエスコート。アイヒェンヴァルデ城への突入を目指すのに対し、防衛チームは「バルデリッヒ」の遺物を守るため、敵の侵入を阻止するのが目的である。
ランクマッチのセカンドシーズンで特筆すべきは、「Skill Rating Tiers」(格付けのスケール)の仕様が大幅に変更された点だ。1から100のランクポイントで測られていた基準が、1から5000に変更される。「ブロンズ」が1から1499、「シルバー」が1500から1999、「ゴールド」が2000から2499、「プラチナ」が2500から2999、「ダイアモンド」が3000から3499、「マスター」が3500から3999、そして「グランドマスター」が4000から5000という具合に、スキルレートに応じたランクが割り振られる。なお、「マスター」と「グランドマスター」以外のランクに関しては、ポイントが所属帯の最低値を下回っても格下げになることはない。
加えて、「マスター」「グランドマスター」ランクのプレイヤーは、スキルレート差が500ポイント以内のプレイヤーとしかグループを組めない。「ダイアモンド」以下のレベル帯では1000ポイント以内。また、上位ランク帯には「Skill Rating Decay」が設けられている。「ダイアモンド」「マスター」「グランドマスター」のランクプレイヤーは、7日間以上ランクマッチに参加しなかった場合、24時間につきスキルレートが50ポイントずつ減少していく。1試合でもプレイすれば不在期間はリセットされ、かつ3000ポイントを下回ることはない。ちなみに、上位500人のプレイヤーに関しては、7日が経過した時点で即刻500位以下に蹴落とされる仕組みだ。
かねてよりフェアなルールではないと不評が寄せられていた「サドンデス」(試合が引き分けになった場合に、コイントスで攻撃側と防御側を決定し、1分45秒以内に目的の達成もしくは阻止によって勝敗を決する特別ルールのこと)は廃止された。今後、引き分けの試合はドローとして扱われる。また、「Hanamura」「Temple of Anubis」「Volskaya Industry」において、「Time Bank System」(攻撃チームが全ての目標地点を確保した際の残り時間が、3ラウンド目に再び攻撃側となった時の持ち時間となる仕組みのこと)が改善されている。さらに、「Dorado」「Hollywood」「King’s Row」「Numbani」「Route 66」「Watchpoint: Gibraltar」にも「Time Bank System」が追加。上記全てのマップにおいて、アタッカーの持ち時間が5分から4分に短縮された。
ランクポイントの取得に関しても、若干の変更が加えられている。スケーリングの変更に伴い、第1シーズンから持ち越したポイントも10倍にスケールし直されている。同様に、試合に勝利した際に得られるポイントも1から10に変更。引き分けの試合は3ポイント。また、黄金の武器(ランクマッチのシーズン終了時に一定ランク以上のプレイヤーが入手できるスキン)のコストも300から3000にスケールアップされる。なお、ランクポイントには上限が設けられており、第2シーズンの開始時に6000ポイント以上を有しているプレイヤーは、さらなるポイントを入手できない。このほか、上位500位のランカーに勝ち上がるには、最低50試合で勝利していることが条件となる。ランクマッチの試合を途中放棄した際に課せられるペナルティ(一定数以上のクイックマッチを完了しなければランクマッチに戻れない罰則)も、解除されるまでの試合数が増やされている。