チーム対戦型FPS『Overwatch』(オーバーウォッチ)の新キャラクター「アナ」を使ったハメ技が発見され、フォーラムサイトを中心に議論の的になっている。その内容は、3体の「アナ」で対象を眠らせ続ければ、狙われたプレイヤーはキー入力が一切できないまま試合放棄とみなされ、ゲームから追放されるというもの。実際にプレイヤーをキック寸前まで追い込んだという事例もあり、試合ルールを無視した迷惑行為として悪用が問題視されている。
「アナ」の“度し難い”ハメプレイ
YouTubeに投稿された動画では、カスタムマッチにてハメプレイの“テクニック”を実践している。『Overwatch』には、試合中に60秒間何もキーを入力しないままキャラクターを放置すると、システムから試合放棄とみなされプレイヤーが自動的にキックされるルールがある。「アナ」の専用ガジェット「Sleep Dart」は、直線上に麻酔針を発射して対象に5のダメージを与えると同時に、5.5秒間眠らせる。次に使用できるまでのクールダウン時間は12秒。眠っている間はキー入力が一切受け付けられないので、単純計算で連続して11回命中させれば、相手は60秒間何もできないというわけだ。また、眠らせたまま12秒間のクールダウンをカバーするのに、最低でも3人の「アナ」が必要になるという計算だ。
もちろん、前回のパッチから、同一チーム内でキャラクターの重複が禁止されたランクマッチでは実行できない。また、クイックマッチにおいても、他の敵プレイヤーから妨害される可能性を考えれば、限りなく不可能に近いだろう。しかし、Redditには、実際に見つかりにくい場所で敵を待ち伏せした上で、3人で協力してシステム上の警告文が表示されるキック寸前までプレイヤーを追い詰めた事例が報告されている。これに対し、標的にされるプレイヤーだけでなく、他のチームメンバーにも多大な迷惑が及んでいるとして、試合ルールを無視した行為に一部からは批判が寄せられた。
先月には、ペイロードマップ「Dorado」のグリッチを利用した「シンメトラ」の「セントリー・タレット」活用法や、「リーパー」の「シャドウ・ステップ」でオブジェクトの隙間をすり抜けることで“世界の裏側”へワープできる不具合が、フォーラムで話題になった。また、“テクニック”とは呼べないが、キョンシーのようなポーズでカカシ立ちしたまま迫り来る恐怖の「ウィンストン」に関する目撃情報も忘れられない。今回の「アナ」を使ったハメプレイはゲームの不具合を利用したものではないため、開発チームが具体的な対応に乗り出すかは定かではないが、こうした行為は「Griefing」(集団でゲーム進行を妨害する荒らし行為全般を指す)の一種として、通報対象に該当する可能性があることは間違いない。