『Overwatch』大幅な弱体化後再び強化された「マクリー」をまた見直し、「上手い人には強すぎた」
Blizzard Entertainment(以下、Blizzard)は26日、チーム対戦型FPS『Overwatch』(オーバーウォッチ)の最新アップデートを、PC向けに配信した。先日追加された新キャラクター「アナ」が若干強化されたほか、ゲームバランスの大幅な見直しにより弱体化されるも、前回パッチで強化された「マクリー」が、再び見直された。なお、PlayStation 4とXbox Oneに関しては、変更内容の多くが後日、大型パッチにて実装されるとのこと。
「マクリー」ならではのプレイスタイルを洗練
『Overwatch』は、6人ずつのチームに分かれて計12人でオンライン対戦が楽しめる一人称視点のMOBA系アクション・シューティング。BlizzardがWindows/PlayStation 4/Xbox One向けにリリースした十数年ぶりの完全新規タイトルである。未来の地球を舞台に、多種多様な武器や装備、特殊能力を操るヒーローが登場するのが特徴で、キャラクターによって得意分野や役割分担が大きく異なる。先日、最新アップデート内容をいち早くテストできる専用サーバー、PTRが解禁されたほか、先週のパッチでは死んだはずの「ファラ」の母親、「アナ」が新ヒーローとして正式リリース。「D.Va」をはじめ、多くのキャラクター性能が見直されたほか、アルティメットゲージやランクマッチの仕様も若干変更された。その中で、先月大幅に弱体化された「マクリー」に再び強化が施されていたばかりだ。
今回のアップデートで、「アナ」の「Biotic Rifle」の連射速度が20パーセント上昇したほか、装弾数が8発から10発に増加した。サポートヒーローにしてスナイパーという役割の「アナ」は、リリース後に一定の好評化を得ていたが、若干の火力不足を指摘する見方もあったようだ。彼女のスナイパーライフルは、味方を回復するダーツと敵に継続ダメージを与えるダーツの2種類が撃ち分けられる。連射速度・装弾数が強化されたことで、敵に与えるダメージ量が増えるだけでなく、当然味方への回復量にも大きく影響する。地味なアップデートにみえて、攻守共に大幅に強化されたといえるだろう。
特筆すべきは、「マクリー」にまた調整が施された点だ。前回、有効射程距離が伸ばされたことで、多少の距離なら威力が減衰することがなくなった。この調整が一部の熟練者にとって鬼に金棒となったようだ。今回、専用武器「ピースキーパー」の単射におけるダメージ減衰距離が10メートル縮まった。しかし、ダメージ減衰量そのものは変更されていないため、1回目の弱体化時よりは強力なままだ。一方で、残弾を空にする早撃ちの連射速度は15パーセント増加。加えて、「フラッシュバン」使用時のリカバリータイム(次に射撃できるまでにかかる硬直時間のこと)が、0.5秒から0.35秒に短縮されている。これにより、相手をスタンさせてから全弾を撃ち込むコンボがより有効な攻撃手段になった。新たに加わった「アナ」も、敵の動きを止めるCC(クラウドコントロール)の役割を担っていることから、「マクリー」ならではのプレイスタイルを際立たせる意図だろう。
このほか、「アナ」の「Sleep Dart」で眠らされた対象が攻撃を受けた途端に目を覚ましていた不具合が修正された。余談になるが、「Sleep Dart」といえば先日、3人以上の「アナ」を使ったハメプレイが議論の的になっていた。『Overwatch』では60秒間キー入力がないと試合放棄とみなされ自動的にキックされる仕様のため、「Sleep Dart」で眠らせ続ければ相手プレイヤーは為す術もなく試合から追放されるという“テクニック”だ。チーム内のキャラクター重複が禁止されているランクマッチはもちろん、敵の妨害が想定されるクイックマッチでも再現は難しいが、実際にプレイヤーをキック寸前まで追い込んだ事例が報告され、その悪用が問題視された。なお、こうした行為は「Griefing」(集団でゲーム進行を妨害する荒らし行為全般を指す)の一種として、通報対象に該当する可能性があることを忘れてはならない。