『Overwatch』(オーバーウォッチ)のヘッドショット判定を示すヒットボックスは、FPSタイトルとしては比較的大きいといわれている。クロスヘアが対象の頭部から少し外れていても、限りなく近ければヘッドショットと判定されるため、必ずしもターゲットの頭部を撃ち抜く必要はない。しかし、最新のアップデート内容を一足先に体験できるパブリックテスト環境(以下、PTR=Public Test Region)では、ヘッドショット判定がよりシビアに調整されているとの報告がある。先日公開されたパッチノートには記述されていなかった変更点だ。もし実際にヒットボックスが縮小されているとしたら、主にスナイパーの扱いが格段と難しくなるだろう。
これまでのヘッドショット判定を検証した動画
先日、『Overwatch』におけるヘッドショットがいかに容易であるかを示すヒットボックスの検証動画が、YouTubeに投稿された。その中で、ターゲットの少し頭上や頭部側面に照準を合わせて撃っても、弾が背後へ抜けているにも関わらず、命中判定が出ていることが確認できる。もちろん、「ハンゾー」のように大きく放物線を描く弓矢でヘッドショットを狙う場合であれば、クロスヘアをターゲットの頭上にあわせる必要がある。しかし、「ウィドウメイカー」のスナイパーライフルや、「マクリー」のリボルバーでも同じ結果が出ているのだ。
現実的な話をすれば、初速が音速を超えるライフル弾でも、質量がある限り放物線を描くのは当然だが、初速が圧倒的に異なる矢や手裏剣と同じ飛距離で考えれば、ほぼ無視できる。特筆すべきは、ターゲットが遮蔽物に隠れている場合でも、頭部に限りなく近い位置へ放たれた飛び道具がしっかり命中している点だ。この現象が、空気抵抗や重力、コリオリの力が作用した結果ではなく、当たり判定を示すヒットボックスがキャラクターのグラフィックよりも大きく設定されていることを如実に表わしている。なお、「ハンゾー」の放つ矢が極超音速で移動して周囲にソニックブームを発生させていないと仮定する。
PTRでのヘッドショット判定を検証した動画
こうした緩い当たり判定は、『Overwatch』が老若男女を対象とした比較的カジュアルなシューターである以上、当然の仕様といえる。しかし、最新のアップデートでは、ヒットボックスのサイズが若干シビアに調整されているという。業界メディアPCGamesNが、PTRと通常サーバーにおける当たり判定の変化を、「ハンゾー」を使って検証している。ターゲットの頭部側面を狙った際のヘッドショット判定が、PTRでは若干シビアになっているようにみえる。
ちなみに、先日公開されたパッチノートには、ヒットボックスに関する変更点は記述されていなかった。フィードバックを受けて運営側が意図的に調整したものなのか、それとも何らかの不具合なのかは定かではない。もしかしたら、遮蔽物に隠れた対象にまで命中しない範囲で調整が施されたのかもしれない。少なくとも、確実なヘッドショットが求められるスナイパーへの影響は決して小さくないだろう。