Blizzard Entertainment(以下、Blizzard)は2日、チーム対戦型FPS『Overwatch』(オーバーウォッチ)の累計プレイヤー数が、5月24日のサービス開始以降、すでに700万人を超えていると発表した。また、公式フォーラムでは、チートプログラムの使用が判明したアカウントに対して、世界規模で宣言どおりの処置を講じたことを明らかにしている。利用規約に違反する不正行為に関しては先日、アカウントを例外なく永久停止に処するとの運営方針を明確にしていた。
チーターは新アカウントで買い直しても復帰不可
プレスリリースの情報によると、『Overwatch』の正式ローンチからこれまでのプレイヤー人口は、累計で700万ユーザーを突破。総プレイ時間は1億1190万時間以上とのこと。先日には、本作のオープンベータテストにおける参加者が970万人以上に到達し、Blizzardの歴史を塗り替えたことが報じられていた。今回の発表に際して、共同設立者でCEOのMike Morhaime氏は、次のようにコメントしている。「過去数か月、そしてリリースにいたるまでの数週間を通して、Overwatchに対する愛情あふれるご支援を多くの方からいただきました。Blizzardゲームの愛好家、FPSファン、このタイプのゲームにこれまで一度も触れたことがなかった方々まで、皆様からの格別な熱意に御礼申し上げます」。
プレイヤー人口が爆発的に増加する一方で、やはりオンラインゲームにはチーターの存在が後を絶たない。Blizzardは先月13日、『Overwatch』における不正行為への対応方針について、チートツールにみなされる外部プログラムの使用が判明したユーザーは、アカウントを永久に停止するとフォーラムに明記していた。ハックツールや自動化ボットはもちろん、あらゆるサードパーティー製プログラムの使用が規約違反の対象となる。昨日、Blizzardは公式フォーラムにて、すでに全世界で宣言どおりの処置を講じたと報告した。具体的な数字は明かされていないが、中国版フォーラムではチートユーザーのアカウント名(BattleTag)を公開している。業界メディアPC Gamerによると、その数は中国だけで1572件に上るという。
特筆すべきは、チート行為で一度処分されたユーザーは、新たなアカウントでゲームを買い直したとしても、再犯の有無にかかわらず、再びBANされるとの報告が上がっていることだ。海外の有名ハッキングフォーラムに寄せられた情報によると、ベータ期間中に予約購入したユーザーがウォールハック(主に壁の向こうにいるキャラクターを表示させる行為)を実行したところ、正式リリースの1日後にアカウントが停止されたとのこと。同時に、RPMツール(パッケージ管理システムの1つ)の使用がバレたことも可能性に挙げている。その後、再びゲームを購入。一切チートせずにプレイしたが、2日後にまたBANされたという。3度目の購入後は、遊ぶ前にゲームファイルとランチャーを完全に削除してから試みたが、たったの1日で再びBAN。4度目は2日待ってから購入し、ハードドライブのIDやMACアドレス、レジストリ内のプロセッサID情報とBiosDateを書き換えた上でVPNを導入したが、やはりプレイして間もなくBANされたとのこと。
このように、Blizzardは心を入れ替えて新アカウントで再スタートした元チーターにも、例外なく無慈悲な制裁を加えているようだ。一度でも禁忌を犯してしまった前科持ちのプレイヤーは、二度とゲームに復帰できないのかもしれない。文字どおり、永久追放である。また、別の報告では、必ずしもチート行為を目的としていない外部ツールの使用やファイルの改ざんも、アカウント停止処分の対象になる可能性を示唆している。妙な真似をするユーザーは一切見逃さない。“Play Nice; Play Fair;”(仲良く遊ぶフェアプレイ)という企業理念のもとに、コミュニティの秩序を鉄の掟で守ろうとする容赦ない姿勢がうかがえる。