Blizzard Entertainment(以下、Blizzard)は、5月24日(日本時間)にリリースを予定しているMOBA系FPS『Overwatch』(オーバーウォッチ)のサービス開始時刻を、公式ブログにて発表した。全世界同時スタートの予定で、日本時間では同日午前8時。いよいよ来週火曜日に迫っている。また、先日には、ハックツールやボットといったサードパーティー製プログラムを利用した不正行為への対応方針を明確にしていた。チート行為が判明したユーザーは、アカウントの永久停止に処される。
チーターには無慈悲の永久BAN
Blizzardは13日、『Overwatch』におけるチート行為について、公式フォーラムで対応方針を発表した。同社の企業理念である“Play Nice; Play Fair;”(仲良く遊ぶフェアプレイ)は、ゲームをデザインする際のみならず、発売後に作品そのものやプレイヤーをサポートしていく上でも忘れてはならないとして、不正行為が判明したユーザーはアカウントを永久に停止すると明記。チートに該当する行為として、ハックツールや自動化ボットはもちろん、試合を不公平にし得るあらゆるサードパーティー製プログラムの使用を禁じている。また、処罰した具体例を公開する予定はないとする一方で、収奪行為の監視を継続していく意向を示した。他のプレイヤーが明らかにチートしていると感じた場合や、外部ツールに関する情報を得た際は、[email protected]への報告を呼びかけている。
今月9日まで実施していたベータテストの期間中にも、すでに不正行為が判明した複数のプレイヤーを追放したとのこと。さらに、上記の問い合わせ先に加えて、多くのリクエストが寄せられていたゲームクライアントからの通報機能も可能になった。ローンチ直後から実装される予定だ。その一方で、プレイヤーを通報する際の留意点についても改めて説明している。まず、ゲーム内カメラの映像が、必ずしもリアルタイムの挙動を忠実に再現するとは限らないということ。細かな情報の喪失は、キルカメラはもちろん、リプレイやハイライト、スペクターモードとあらゆる場面で起こり得る。結果、中にはプレイヤーの挙動が不自然に映ってしまうケースもあるようだ。
それに付随して、ゲーム内のカメラシステムにはプレイバック映像に影響を及ぼすバグが残っている可能性も、完全には否定できない。実際、クローズドベータ期間中には、「ザリア」で「パーティクル・バリア」もしくは「バリア・ショット」を使用した際に、キルカメラやスペクターカメラに不具合が生じるバグが発見されている。現状で判明しているバグは全て修正されているようだが、今後もカメラに関する新たな不具合が見つかることも考えられる。最後に、どんな対戦ゲームにも共通していえることだが、中にはチートに感じられるほどFPSが上手なプレイヤーもいるということを忘れてはならない。負けが込んでくるとつい感情的になって不正を疑ってしまうユーザーもいるのではないだろうか。これらの点を踏まえた上で、疑わしきプレイヤーを通報する際には、キルカメラやハイライトなどの録画映像を提出することが推奨されている。
サードパーティー製プログラムの使用については、以前にも『Hearthstone』チートツールに潜むスパイウェアの危険性が、Symantec Corporationの専門家から指摘されていた。同作のハッキングツールを装ったマルウェアが検出されたというもので、外部プログラムの不正使用がアカウントの停止に繋がるだけでなく、トロイの木馬の侵入を許す要因にもなりかねないという教訓になった。オンラインゲームの対戦を有利にプレイするために、利用規約違反の外部ツールを活用する例は後を絶たない。2014年には、Blizzardが『Hearthstone』のボットユーザーを取り締まったことから、チートツールの販売業者がサービスを停止した事例もある。『Overwatch』の運営においても、ゲームの公平性を保つためにさらなる取り締まりの強化が期待される。