『押忍!闘え!応援団』開発者、シリーズ復活に意欲を見せる。「うまくいけば次のプラットフォームで」とも
イニスの取締役副社長である矢野慶一氏は、Polygonのインタビューに答え『押忍!闘え!応援団』シリーズの復活に改めて意欲を見せた。氏はシリーズの復活があるのかという問いに対し意味深な回答を残している。
“もちろん、任天堂とは良い関係にあるよ。思うに、こういうタイプのゲームの大半は続きがあっていつか帰ってくるもので、シリーズが戻ってくるべきだと感じられる適切な時がある。たいていの場合、そういう類の事はプラットフォームが決めるんだ。例えばこのゲームはこのプラットフォームにピッタリだ!と人々が言う時だね”
この発言のほかにも、続編を開発する意欲があることを明かし、うまくいけばそれは次のプラットフォームとなるとも述べている。
『押忍!闘え!応援団』は2005年にニンテンドーDSにて発売されたリズムアクションゲームだ。世の中で困っているさまざまな人々の力になるために、応援団となりエールを送るのがゲームの目的となる。応援方法は、リズムに合わせて画面のマーカーをタッチやスライドをすることだ。1曲1曲にストーリーが用意されており、リズムにうまくのることができれば応援相手はより良い結果にたどり着くことができ、うまく譜面を追うことが出来なければバッドエンドとなる。発売当初はそれほど話題とならなかったが、シンプルでありながら熱いストーリーと、リズムゲームとしての高い完成度がクチコミを呼びロングセラータイトルとなった。その好評を受け海外では『Elite Beat Agents』という名前で海外向けに徹底的にアレンジされた形で発売され人気となり、『押忍!闘え!応援団』シリーズは国内外で多くのファンを抱えるゲームとなっていた。しかし続編である『燃えろ!熱血リズム魂 押忍!闘え!応援団2』が2007年に発売されてから、新作にかんするアナウンスは久しく聞こえてこなくなった。
その理由のひとつとして、イニスがこの時期から海外パブリッシャーとの関係を強めていたというのがある。同社はMicrosoftと良好な関係を結んでおり、2008年にはMicrosoftとともに歌って踊れるカラオケゲーム『Lips』をリリース、2011年にはUBI SoftのもとでKinectを利用したダンスゲーム『The Black Eyed Peas Experience』を発売していた。最近では活躍の場をモバイルまで広げ、スクウェアエニックスとタッグを組みムービーを意識した新たな音ゲー『DEMONS’ SCORE』や、美少女系音楽ゲーム『Tokyo 7th シスターズ』の開発にも携わっていた。
また、矢野氏は同インタビューで海外発のフリーゲーム『osu!』についても言及している。『osu!』は『押忍!闘え!応援団!』シリーズを強く意識し開発されたゲームだ。ゲームとしてのクオリティ、更新頻度、楽曲の充実などどれをとっても単なるフォロワーには終わらないほどの魅力を持ち、こちらも国内外で人気のゲームとなっていた。氏は『osu!』について、コミュニティの形成やシェア機能など参考になる部分も多く、譜面もよく考えられており影響を受けていることを明かしている。
シリーズの行方について非常に含みあるコメントを残した矢野氏。これまでのシリーズの流れと発言を照らし合わせるとやはり、任天堂の次世代ハードNXで新作が見られるのだろうか、期待は膨らむばかりだ。
Polygonによるインタビュー映像