ホラーゲーム『サイレン』、PS4向けに北米と欧州で配信開始。どうあがいても絶望の世界が1080pでよみがえる

北米と欧州のPlayStation Storeにて、ホラーゲーム『サイレン(SIREN、Forbidden Siren)』のリリースが開始された。

北米と欧州のPlayStation Storeにて、ホラーゲーム『サイレン(SIRENForbidden Siren)』がPS4向けにリリースされた。E3 2016のプレスカンファレンスが盛り上がりを見せるなか、6月14日からひっそりと配信が開始されていた模様で、価格は9.99ドル/7.99英ポンドとなっている。なお昨年12月には、『Wild Arms 3』や『サルゲッチュ3』などと共に欧州のレーティング機関に登録されているのが発見されていた

『サイレン』は、2003年にSCE(現SIE)よりリリースされたPlayStation 2向けホラーゲームだ。開発にはかつて『サイレントヒル』を手がけた外山圭一郎氏などが参加。ifの歴史を辿った昭和78年、サイレンの音が鳴り響く羽生蛇村を舞台に、さまざまなキャラクターたちが絶望の世界で足掻く様子を描く。敵の視界を盗んで相手の位置をうかがい知る「視界ジャック」、敵を倒しきることはできないスリル満点のゲームプレイ、また日本を舞台にした土着的なホラー感が魅力的な作品となっている。

現在まで『サイレン』シリーズは、初代『サイレン』がPS2アーカイブスとして、また初代の“新訳”としてリメイクされた『SIREN: New Translation』がそれぞれPS3向けにリリースされてきた。『SIREN: New Translation』はPS4向けのクラウドゲーミングサービス「PlayStation Now」を通じて遊ぶことはできたが、初代『サイレン』がPS4上でプレイできるのは今回が初だ。

また喜ばしいことに、本作はPS4のPS2エミュレーション機能を利用しており、1080pにアップレンダリングされた状態でプレイすることができる。リモートプレイやShareを利用したライブ配信、SNSへの投稿やトロフィーなどの各種機能にも対応しており、現状『サイレン』をプレイする上ではおそらく最高の環境で遊べるようになったといえるだろう。

なお2006年に初代の続編の『サイレン2』、2008年に『SIREN: New Translation』がリリースされたあと、残念ながら新作タイトルは登場していない。ただし昨年末には初代の漫画版「SIREN 赤イ海ノ呼ビ声」の第1巻が発売されるなど、シリーズが完全に沈黙しているわけでもなく、純国産のホラーゲームとしていつの日か新作が登場する日が来ることにも期待したいところだ。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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