Steam向けの「買い切り俺アラ」『俺だけレベルアップな件:ARISE OVERDRIVE』本日配信+先行プレイ感想。遊んだらアニメが見たくなるゲーム
『俺だけレベルアップな件:ARISE』はライブゲーム型サービスとして提供中。一方、『俺だけレベルアップな件:ARISE OVERDRIVE』は買い切り型のゲームとして、操作性やグラフィックが強化されているという。

Netmarbleは11月25日、『俺だけレベルアップな件:ARISE OVERDRIVE』を発売した。対応プラットフォームはPC(Steam/Xbox PC)。PS5/Xbox Series X|S向けには2026年発売予定。本作は同名の原作をベースにしたアクションRPGとなっている。
「俺だけレベルアップな件」は、Chugong氏原作による韓国の小説・漫画作品だ。舞台となるのは、異次元と現世界を結ぶ「ゲート」の出現によってモンスターの危害が及ぶ現代。ゲートの出現以降、人間の世界にも「ハンター」と呼ばれる特殊能力に目覚めた人々たちが出現。それから十数年、ハンターたちはゲート内のダンジョンに存在するモンスターと戦い続けていた。

ハンターの能力は一度覚醒するとそれ以降は成長しないものとされている中、最も低いランクであるE級ハンターとして覚醒した主人公の水篠旬は、「人類最弱兵器」と呼ばれながらも低ランクのダンジョンに挑んで日々の暮らしを営んでいた。そんなある日、彼はひょんなことから自分だけが「レベルアップする」という能力を手に入れ、高ランクハンターへと成長していくことになる。なお、日本展開においては作中の舞台が韓国から日本に変更となり、登場キャラクターの名称や設定も変更となっている。
同作のゲーム化は、『俺だけレベルアップな件:ARISE』としてライブゲーム型サービスとして提供中。一方、『俺だけレベルアップな件:ARISE OVERDRIVE』は買い切り型のゲームとして、操作性やグラフィックが強化されているという。
弊誌はこのたび、『俺だけレベルアップな件:ARISE OVERDRIVE』のSteam版を先行プレイする機会をいただいた。本稿では、本作がどんなゲームなのかを紹介したい。
原作未履修でも先が気になるストーリー展開が楽しめる

『俺だけレベルアップな件:ARISE OVERDRIVE』は、3DアクションRPGだ。主人公の水篠旬を操作して、原作のストーリーを追体験できるゲームとなっている。キャラクターの移動操作は、通常移動、回避、ダッシュが可能。そして、武器を使った通常攻撃、通常スキル、そして武器に備わった武器スキルが基本的な攻撃アクションだ。そのほかにも、回避しながら攻撃など、ほかのアクションと攻撃を組み合わせることで、さまざまなアクションへと派生。爽快なバトルが楽しめるゲームとなっている。
なお本作は、ゲームパッドのほか、PC版ではキーボード&マウス操作にも対応。キーボード&マウス操作は、移動とポーション使用などは固定となっているものの、オプションにてそのほかのキーマッピングの変更が可能だ。プレイをした印象としては、ゲームパッド操作の方が遊びやすい印象ではあるものの、アクションゲームでのキーボード&マウス操作に慣れ親しんでいる人はすぐに対応できることだろう。
ゲームを開始するとプレイヤーは早速戦場へ。明らかに強そうな主人公の水篠旬を操作しながら、本作の基本的な操作が学べるチュートリアルとなっている。原作未履修の筆者としては「レベルアップしていくのでは」と思ったが、どうやらこれは後の水篠旬であるようだ。

そして、チュートリアル終了後、舞台は戦場から街中へ。水篠旬も一転して頼りない姿に。この姿がE級ハンターである水篠旬であり、人類最弱兵器たる姿である。こんな主人公の身に何が起こって、チュートリアル時の強そうな姿に変貌していくのか。先が気になる展開で掴みはバッチリだ。

ここからはメインストーリーを進めていくことになり、E級ハンターの水篠旬くんは病に伏せている母の治療費や生活費、妹の進学のため、ハンター業に従事している。そこで今日も、低ランクのダンジョン攻略に挑むハンターチームに同行することになる。ちなみに、これらのストーリーは、3Dモデルを使用したムービーと、原作イラストを使用したムービーで描かれていく。原作と比べてある程度割愛されている部分はあるものの、ストーリーの流れを知るのに十分だろう。
そんな中、先の低ランクダンジョン攻略で死にかけるような経験を味わった水篠旬くんは、病院に入院することに。死にかけた彼の目には、他人には見えない謎のシステムウインドウが見えるようになる。そして、システムの効果によって、彼は「レベルアップする」という能力を手に入れる。わかりやすく言うならば、現実でRPGのシステムにアクセスすることができるようになったというわけだ。

入院中にシステムについて理解を深めた水篠旬は、システムが課すデイリークエストに従って自らを鍛えていく。そして、クエスト報酬で得た鍵でダンジョンに挑み、さらに強さと自信を得た彼は、退院する頃には見違えるような姿へとレベルアップを果たすことになる。
充実したRPG要素でさらなる成長

ここからは本作のゲームシステムについて紹介したい。病院を退院した後、水篠旬は多くのハンターたちが集うハンター協会を拠点にすることになる。この段階から彼のステータスポイントの割り振りやスキルのレベルアップができるようになる。さらにストーリーを進めていくことで、ハンター協会内にあるショップの利用や武器の製作、そして水篠旬と同行するハンターの雇用などが可能になる。ここまでは3Dアクションゲームとしての体験が中心だった本作の、RPG要素が強まっていくわけである。
ハンター協会では、前述した施設が利用できるほか、ワールドマップからメインストーリーの進行と、ワールドコンテンツへの挑戦ができる。ワールドコンテンツはいわゆるフリークエストで、さまざまな素材や通貨、装備品の入手先となる。経験値のほか、キャラクターのスキル強化に必要となる素材もワールドコンテンツから入手できるので、強くなりたければワールドコンテンツにどんどん挑戦していこう。

そして、武器の製作にはワールドコンテンツで入手できるさまざまな素材が必要になる。武器の強化によって、性能に加えて武器スキルも強化されていくので、キャラクターのさらなる強化に必要な要素となっている。なお、武器には短剣や弓、銃、魔導書、両手武器など、多数用意されている。武器によって攻撃モーションが違うので、いろいろ試してみるといいだろう。
ハンターの雇用は、水篠旬に同行するハンターを雇うことができる機能だ。同行するハンターは、戦闘中にオートで攻撃や回復といった支援をしてくれる。また、ワールドコンテンツの中には水篠旬を除いたハンターのみで攻略するものもあるので、強そう、あるいは使いやすい、または好みのハンターを雇ってチームを編成しよう。なお、雇用できるハンターの中には原作で登場したキャラクターたちもいる。原作を知っているプレイヤーは、お気に入りのキャラクターを雇ってみるのもいいだろう。また、ハンターたちも特定のアイテムによって強化できるので、好みのチームを構成しよう。

また、今回は発売前のビルドであったため試すことはできなかったが、本作はマルチプレイ機能も搭載されている。マルチプレイもハンター協会から挑むことになるので、ぜひ試してほしい。
原作への興味を抱かせる良IP作品

本作は、原作IPをもつゲームであり、原作のストーリーを追体験できることは前述したとおり。一方で、気持ちの良いアクションの手触りも楽しめる作品となっている。なお、本作の難易度は、ゲーム開始時にノーマルとハードから選択するかたちだ。さらに、ゲームオーバーになった際にはイージーを選択することができるようになっているので、アクションが苦手な人でもストーリーを楽しめるだろう。また、キャラクターを強化する要素が盛りだくさんであることから、やり込みたいという人も受け入れてくれるはずだ。
ちなみに、本作は基本的に水篠旬の視点で物語が進んでいく。彼の成長物語としての部分が強い作品となっている。しかし、本作をプレイして原作も気になった筆者がアニメを視聴してみたところ、ゲームで描かれている物語の裏ではさまざまなハンターたちの思惑があり、いろいろな出来事が同時並行で進んでいるのだった。原作では、そういった部分やキャラクターの感情の機微まで描かれているので、本作で「俺だけレベルアップな件」に興味をもった人は、アニメやコミックもチェックしてほしい。

『俺だけレベルアップな件:ARISE OVERDRIVE』はPC(Steam/Xbox PC)向けに発売中。PS5/Xbox Series X|S向けには2026年発売予定だ。




