北米市場で高まるゲームコンソール需要 前世代と比較してユーザー数は約1.6倍
北米の市場リサーチ企業The NPD Groupは、PlayStation 4やXbox Oneのインストールベース(ユーザー数)が、前世代のPS3やXbox 360と比較して60パーセント近く拡大していることを明らかにした。これはハードが発売されてから15か月後のインストールベース数を世代別に合計し比較したものだ。海外メディアPolygonにて、NPD Groupのゲーム業界アナリストLiam Callahan氏が解説している。
北米で進む次世代への移行
今回の比較では、2013年11月に発売されたPS4およびXbox Oneのプレイヤーベースと、2005年11月に発売されたXbox 360および2006年11月に発売されたPS3のプレイヤーベースが比較されている。どちらも発売から15か月間が経過した時点での数値を世代別に合計している。
Polygonの記者は同記事にて、今世代のプレイヤーベースが急成長している背景には、ハードの価格差があるとも指摘している。特にPlayStationハードを見るとわかりやすい。2006年にPS3の20GBモデルが499米ドルでローンチされたのに対し、PS4は399米ドルで発売された。またXbox 360は当時399米ドルにて発売されており、Xbox Oneは499米ドルでローンチされたが、後にKinectセンサーが付随しないバージョンが399米ドルで発売されるようになった。
トータルのソフトウェアセールスは、前年比で約5%の成長を見せている。PS4やXbox Oneといった今世代のゲームソフト販売率が74パーセント上昇しているのに対し、PS3やXbox 360の前世代ゲームは36パーセント減少している。北米市場では次世代コンソールへの移行が順調に進んでいることになる。
このほか、追加のコントローラーやヘッドホンといった周辺機器のセールスも前年比で3パーセント増加している。
北米市場で高まるコンソール需要をよそに、国内のビデオゲーム市場は縮小が止まらない状況だ。ファミ通が発表した2014年の国内家庭用ゲーム市場によれば、PS4やXbox Oneが登場したにも関わらず、2014年のゲームハードやゲームソフトの売り上げはどちらも昨年から下落している。
国内デベロッパーによるPS4やXbox Oneへの参入が遅れている点は、次世代機が登場したにも関わらずコンソール市場が縮小した理由の1つとして挙げられるだろう。2015年では、3月にフロム・ソフトウェアの『Bloodborne』がPS4向けに発売、またアトラスも『ペルソナ5』をPS3とPS4向けにリリース予定だ。バンダイナムコゲームスも、『機動戦士ガンダム』シリーズの最新作をPS4向けに2015年発売する。これらのタイトルが発売された際に、PlayStation 4が国内のプレイヤーを引っ張ることができるかどうか、国内市場の重要な岐路となりそうだ。