『No Man’s Sky』でプレイヤー同士は出会えない?深まるマルチプレイの謎。パッケージには隠されたオンライン表記


ついに欧米でPlayStation 4版が発売され、大きな盛り上がりを見せている『No Man’s Sky』。すでに1000万種以上の生物が発見されるなど、たくさんのプレイヤーが宇宙に飛び立っている。宇宙の探索を楽しむユーザーが多くいる一方で、発売前から予想された「思っていたゲームと違う」という声も少なくない。

何を期待していたかというのはユーザーそれぞれで異なっているが、多く見受けられるのがマルチプレイヤーモードの仕様についてだ。『No Man’s Sky』は発表時からマルチプレイが可能であると報告されており、友人と一緒に宇宙や惑星を探索できるのではないかと夢見たユーザーもいるだろう。

しかし、『No Man’s Sky』にそういった楽しみ方は用意されていないようだ。その証拠として、2人のプレイヤーが同じ惑星にたどりついたがお互いの姿が見えなかったという事例が報告されている。これは、同じ惑星を発見したプレイヤーthesadcactus氏とPsytokat氏が同じ時間に待ち合わせたという実験の結果だ。彼らはredditTwitchでこのシチュエーションを実況したが、結局出会うことができなかった。開発元のHello GamesディレクターSean Murray氏はこの事例にかんして「初日にこんなことが起きるなんてびっくりだ、興奮するよ」と言及している一方で、オンライン上の相手と会えるかどうかについてはコメントしていない。Polygonは、2人が異なるサーバー上でプレイしていた可能性を指摘しており、Murray氏はもともとオンライン上でプレイヤー同士が出会う可能性は“ほぼ0”とコメントしているが、ほかのプレイヤーの姿を見ることができるかという謎は依然として解明されていない。

Image Credit: Eurogamer
Image Credit: Eurogamer

マルチプレイについての謎はこれだけでは終わらない。欧州向けに発売されていたパッケージ版のリミテッドエディションにはもうひとつ謎が隠されていた。このパッケージの右下にはPEGI 7(日本のCERO A相当)が印刷されている。しかし、このサインは実は上から貼り付けられたシールであることが判明。シールをはがすと、PEGI 12(日本のCERO B相当)とオンラインプレイを意味するサインが描かれていた。Eurogamerの取材に対しソニーは「生産工程上の問題」と答えるにとどまったが、ユーザーがオンラインの仕様が変更されたという疑問を持つのも無理はない状況だ。

一方で、Murray氏はこのマルチプレイにかんして、2014年12月から「MMOではなく、友人と一緒にプレイするゲームではない」と一貫した主張をしている。この主張は一切ブレておらず、ことあるごとにMMO的なマルチプレイが搭載されていることを否定してきた。あくまで惑星にメッセージなどを残し、遠い世界ながら誰かが宇宙にいることを感じられるようなマルチプレイ体験を提供したいと語っていた。

結論としては、ほかのプレイヤーの姿が見えたとしてもそうでなかったとしても、デベロッパーはリアルタイム協力プレイのような遊び方に否定的で、あくまでひとりで遊ぶためのゲームとしてデザインされているということだろう。PlayStation Network Plusに加入していなくてもオンラインを楽しめるという仕様にも納得がいく。Hello Gamesは精力的なアップデートを予告し、オンライン機能の拡張も宣言しているが、現時点ではほかのプレイヤーとともにゲームを楽しむことは期待せず、ひとりで美しい惑星を楽しむことに専念したほうがよさそうだ。

なお日本語を含むPC版『No Man’s Sky』は13日の午前2時に配信が予定されている