“アート盗用疑惑”のあったSwitchミニアーケード筐体化「レトロアーケードドック」、急遽デザインを変更。「他社製品と一部類似している」として

合同会社スマイリーパートナーは11月7日、「レトロアーケードドック」の筐体外装デザインの一部を変更すると発表した。

合同会社スマイリーパートナーは11月7日、Nintendo Switch 2/Nintendo Switch用ドック型アーケードコントローラー「レトロアーケードドック」について、筐体外装デザインの一部を変更すると発表した。SNS上ではこれまで、そのデザインについてとある疑惑が浮上していた。

本製品は、Nintendo Switch 2/Nintendo Switch本体を装着し、アーケード筐体のようなスタイルでプレイできるドック兼コントローラーだ。現在CAMPFIREにて発売に向けたクラウドファンディングが実施中。

「レトロアーケードドック」は、Nintendo Switch 2およびNintendo Switchの通常モデル/有機ELモデルに対応。卓上に置けるサイズのアーケード筐体のようなスタイルで、ディスプレイ代わりにJoy-Conを外したNintendo Switch 2/Nintendo Switch本体を装着してプレイする。USB Type-C接続のドックでもあり、給電しながらのプレイが可能だ。操作部は8ボタン式のやや小型のアーケードコントローラーになっており、連射機能も用意されている(関連記事)。

本製品は先日10月28日に発表され、同日よりCAMPFIREを通じたクラウドファンディングが開始。本稿執筆時点で、初期目標金額の4000%を超える400万円以上を集める成功を収めている。一方で、SNS上では筐体外装イラストのキャラクターデザインについて、カプコンの『ストリートファイター6』のものを流用しているのではないかとの指摘が上がることとなった。

具体的には、『ストリートファイター6』のYear 3追加キャラクターのキーアートと酷似していると指摘されていた。同アートにはC.ヴァイパーやサガットなどが描かれており、本製品の旧デザインと比べてみると、イラストのテイストは異なるが、キャラクターの風貌やポーズ、角度が似ているように見える。

今回の発表にてスマイリーパートナーは、本製品のプロジェクト開始当初、メーカーが制作した試作デザインにて監修を進めていたが、その後他社製品と一部類似している点があることが判明したと説明。プロジェクト実行者としての確認および検証が十分でなく、早期に発見できなかったとし、支援者および関係者に対し謝罪した。そして、疑念や誤解、混乱を招かぬよう、直ちに外観デザインの一部を変更する判断を下したとのこと。

上に掲載したのが、本製品の新デザインだ。キャラクターのイラストはすべて撤廃され、オレンジ色と水色の炎のようなものが描かれたシンプルなデザインとなっている。デザイン変更にあたっては、テストプレイやモニター評価からの意見を参考に、視認性と操作性をさらに高める改良もおこなったとのこと。

今回の筐体外装デザイン変更に伴い、CAMPFIREで実施中のクラウドファンディングにおいては、希望者に対する支援キャンセルの受付が開始されている。詳しい手続き方法はキャンペーンページを参照してほしい。なお、クラウドファンディング自体は継続され、デザイン変更による製造スケジュールや製品の出荷時期への大きな影響はないとのことである。

ちなみに、コロンバスサークルから2026年1月中旬に発売予定の「筐体型アーケードコントローラ アケつく」は、その仕様から察するに「レトロアーケードドック」と同じ製品の模様。こちらはかなりシンプルなデザインが採用されている。また、海外では「Mini Arcade PRO」としてさらに別のデザインのものが発売予定。本製品は、中国のゲーム周辺機器ODM/OEMメーカーHoncam Technologyが開発したもので、さまざまな製品名・デザインにて各社から展開されるようだ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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