任天堂、欧州向けに『スプラトゥーン』オンライン大会を半年にわたって開催。協賛はe-Sports運営大手ESL


約1年間にわたるフェスが終了したものの、依然としてアップデートによるゲームバランスの改善などがおこなわれており、息の長い様相を見せている『スプラトゥーン』。発売当初は、シンプルさやとっつきやすさが好評を得ていたが、発売から月日が経過するとともにプレイヤーも成熟し、その競技性の高さが注目されつつある。日本では2015年9月半ばから2016年1月末にかけて「スプラトゥーン甲子園」が開催され、予選試合から決勝まで盛り上がりを見せていた。

そして今月18日にはgamescomにて、オンラインを舞台とした『スプラトゥーン』大会が欧州にて開催されることが発表された。大会は9月から半年をかけてプレイヤーが腕を競い合うというもの。今回発表されたのはあくまで概要で、詳しい内容はまだ明かされていない。注目したいのは、この大会の開催にあたってElectronic Sports League(以下、ESL)がパートナーとして協力していることだろう。ESLはドイツの会社「Turtle Entertainment GMBH」が運営するe-Sports界最大級の運営組織だ。ジャンルとしてはFPSからMOBA、格闘ゲームまで幅広い競技ゲームをカバーしており、強い影響力を持っている。そのESLとタッグを組むということで、『スプラトゥーン』がe-Sportsに進出するのではないかという噂も立ち始めている。

任天堂が抱えているさまざまなヒットタイトルの中で、最も人気があるのは『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズだ。格闘ゲームの祭典EVO 2016にて、ゲームキューブで発売された『大乱闘スマッシュブラザーズ DX』と最新作『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』の2タイトルが競技になったことからもその熱狂ぶりがわかる。しかし、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズは企業というよりもユーザーやコミュニティの熱によってここまでの地位が築きあげられたタイトルだ。そういった意味でも任天堂はe-Sportsに対しては静観気味であったといえる。

このように慎重な姿勢を見せていた任天堂がe-Sports大手のESLと組むことは興味深い。不明点は多いが、任天堂の変化が感じ取れる出来事であることは間違いない。また『スプラトゥーン』の展開がまだまだ終わらないという意味でも重要なアナウンスだといえる。

なお、これにあわせて欧州向けに、日本でも発売前におこなわれた「完成披露試射会」のような、無料オンライン対戦が8月18日から9月1日にかけておこなわれる。国内向けには「第2回スプラトゥーン甲子園」が9月から開催されるが、こちらにもあわせて動きがあることを期待したいところだ。