Valveが「Steam Machine」や「Steam Link」でリビングのビデオゲーム覇権を狙うなか、新たに米Appleが「Apple TV」にてリビングを狙う可能性が浮上している。New York Times誌は9月6日、「Apple TV」の新型がゲームを主軸にしたモデルになると報じた。
OUYAやVita TVのカジュアルゲーム版?
Apple TVは2006年から8年間にわたりリリースされてきたセットトップボックスだ。ユーザーはインターネットに接続されたApple TVをディスプレイやテレビに繋げることで、さまざまな音楽や映画、iTunesなどのサービスを楽しむことができる。New York Times誌が接触した匿名の情報筋によれば、ここに初めてビデオゲームのプレイ機能が加わることになるという。
過去のApple TVよりも性能が向上し、コントローラーにもなるリモコンが付属するということ以外、このゲームにフォーカスした新型Apple TVの詳細は明らかにされていないが、スタート価格は150ドルと伝えられている。従来のApple TVの価格と比較すると割高だが、現在展開されているPlayStation 4やXbox One、Wii Uなどの300ドルから400ドルラインと比較すると格安だ。また技術研究ファームJackdaw ResearchのチーフアナリストJan Dawson氏は、新型Apple TVがリビンぐにおけるカジュアルゲーム市場を新たに創ろうとしていると推測する。
リモコン型コントローラーなどでカジュアル層を獲得したWiiのあと、確かにリビングルームでカジュアルゲームの覇権を手に入れたコンソールは記憶 に無い。Androidベースの据え置き型ゲーム機として注目を浴びた「OUYA」や、ソニーの「Vita TV」など、似たコンセプトの機器はあるが、どちらも市場的には成功しておらず、そしてカジュアルゲームを主眼としているわけでもなかった。iTunes やApp Storeにおける豊富なコンテンツ量、低価格な本体、そしてカジュアルゲーマー向けのゲームを武器に、Apple TVがリビングに進出するというのは十分ありうる話である。セーブデータのクラウド管理などが進めば、iPhoneやiPad上の膨大なアプリゲーマーた ちを引き込むことも可能だろう。
この噂を補強する情報として、米AppleはApp Storeのゲーム情報を配信するTwitterアカウント「@AppStoreGames」を今月に入って取得しており、App Store上のゲームの情報を毎日配信している。
新型Apple TVは現地時間9月9日に実施されるイベントにて正式発表されるのではないかと見られている。