Mod製作者が製品版を“修正”、『テイルズ オブ ゼスティリア』のPC版が60FPSで動くようになる
10月20日にバンダイナムコエンターテインメントから海外向けに発売されたPC版『テイルズ オブ ゼスティリア』(以下、ゼスティリア)。日本向けには発売していないものの、『テイルズオブ』シリーズ初のSteam向けリリースであり熱も高く、Steamのレビュー欄でも「非常に好評」の評価を受けている。
Steamユーザーにも好意的に受け入れられているPC版『ゼスティリア』だが、ひとつ大きな批判点がある。フレームレートが30FPS固定になっていることだ。グラフィックや動作を自分好みにカスタマイズできるPCゲームでは、フレームレートが30FPSにロックされていることはマイナスポイントになり得る。特に『テイルズオブ』シリーズは格闘ゲームのような流れる戦闘が売り物であり、60FPSの“よりなめらかな戦闘”を期待していたユーザーも多かっただろう。
しかしそんな『ゼスティリア』の30FPS固定を修正しようとするユーザーが現れた。Kaldaienと名乗るこのSteamユーザーは『ゼスティリア』に対してただならぬ情熱を見せており、発売当時から継続的に製品版を改善するModをリリースしている。垂直同期のスムーズさやアスペクト比率の調整、マルチコア向けの最適化など、ゲームプレイを快適にする改善を数々おこなってきた。そんなKaldaien氏は11月15日に、ついに60FPSの実装に成功したようだ。
動画からもわかるように、安定した60FPSでゲームが稼働している。スピード感のある『ゼスティリア』の戦闘がさらになめらかに動き、爽快感も増して見える。60FPSを実現してもなお、氏はさらなる改善と安定のためにまだまだアップデート作業に取り組んでいるようだ。
実はこのKaldaien氏、今回の『ゼスティリア』だけでなく、重度のバグがあり問題を抱えていると弊誌でもお伝えした『Batman: Arkham Knight』の修正Modにもかかわっている。DXGI Memory Managerと称されるModを開発し、特にWindows10における『Batman: Arkham Knight』のゲームプレイの最適化を目指していた。氏は11月6日にSteamフォーラムにて“すでにこのゲームに対する興味を失っているが、未だにバグを抱えるプレイヤーのために、これからも修正を続ける”と宣言しており、かなり手慣れたMod製作者のようだ。
ModによるFPSの変更といえば、同バンダイナムコエンターテインメントの『DARK SOULS』でも同様の出来事があったことを思い出す人も多いだろう。日本のゲームメーカーは『ファイナルファンタジーXIII-2』や『侍道4』など、PC向けにリリースをしてもFPSを30で固定しているところが多い。驚くような技術のMod製作者が増えている昨今であるが、今回のようなModという形ではなく、正式に60FPSに対応されていることが“より喜ばしい形”であることは間違いないだろう。