MMO『World of Warcraft』でも「自撮り」 自キャラ撮影用のカメラアイテムが導入

世界一のユーザー数を誇るMMO『World of Warcraft』に、アイテム「S.E.L.F.I.E. Camera」が導入された。パッチ6.1にてPublic Test Realms(公開テスト)に追加されたこのアイテムは、プレイヤーキャラクターがカメラを持ち、自身へ向けた視点でスクリーンショットの撮影、いわゆる「自撮り」を可能にする。カメラの視点が自身へ向けられるだけでなく、キャラクターが右手でカメラを持って自撮りする風景を撮影することができる、ユニークなトイアイテムとなっている。

 


ゲームの世界でも自撮りブーム

 

(image via WoW Insider)
(image via WoW Insider)

S.E.L.F.I.E. Camera」は、レベルの100ミッション「Field Photography」をクリアすると手に入る。使用方法はいたってシンプルで、アイテムをクリックし、カメラの角度を決定して1キーを押すだけだ。UIも自動的に隠れるため、AltとZを同時押しする必要はない。また、撮影のあいだはキャラクターに笑顔やキス顔をさせることもでき、写真はスクリーンショットフォルダに格納される。

さらに、追加ミッション「Lens Some Hands」で手に入る「S.E.L.F.I.E. Lens Upgrade Kit」を使えば「S.E.L.F.I.E. Camera Mk. II」にアップグレードできる。3種類のフィルター「Sketch Filter」「Black and White Filter」「Death Filter」も使用可能になるという。Instagramのような写真加工を楽しめるのだろうか。昨年11月に発売された第5弾拡張パック「Worlds of Draenor」では新たなエリアが登場しており、撮影場所に困ることはないだろう。

 


「自撮り」だけでなく「作品」も

 

『Alice: Madness Returns』 アートではなくゲームからの1枚
『Alice: Madness Returns』アートではなくゲームからの1枚

PCゲーム最大のプラットフォームSteamでは、2011年からスクリーンショット撮影機能の提供がスタートしている。PlayStation 4やXbox Oneには、それぞれスクリーンショットを撮影し、SNS上で共有できる機能が搭載されている。プレイ映像やライブ配信が容易になった昨今だが、いまもなおスクリーンショットの共有は盛んだ。より手軽であることにくわえ、ゲームの一瞬一瞬を切り取ることで、キャラクターのアニメーションやフレームレートのカクつきといったゲーム本来の"不自然さ"を隠すこともできる。

近年では、Modの導入やグラフィック設定の調整により、まるで芸術作品のようなスクリーンショットを撮影する手法も生まれている。海外の個人サイトDead End Thrillsは、素晴らしい作品の数々を公開している。元雑誌記者であったDead End Thrillsの運営者は、自身を「ゲーム業界のスクリーンショットアーティスト」と伝えており、その名に恥じないクオリティを披露している。数々の作品はModやグラフィック設定の調整を経て撮影されたものだが、フォトショップなどの画像編集ツールは利用していないという。

グラフィックが現実世界に近づき、様々なロケーションを盛り込んだオープンワールドのゲームが増加しつつある昨今。インゲームのスクリーンショット撮影家が、脚光を浴びる日が来るかもしれない。

 

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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