水口氏、『Rez Infinite』と共に26個ものバイブレーションを装着した「特殊VRスーツ」を開発する。ゲームプレイに合わせて全身が鼓動
先日開催された「PlayStation Experience 2015」の基調講演にて、水口哲也氏はリズムシューティングゲーム『Rez Infinite』を正式発表した。発表時、水口氏が電飾付きの特殊なスーツを着てプレイしていたシーンが印象的だったが、実はこれが全身にバイブレーションを装着した「VRスーツ」であったことが明らかとなっている。2001年にリリースされた初代『Rez』では専用トランスバイブレーダーが付属していたが、その系譜が今作にも続いているようだ。
これは海外メディアEurogamerやKotakuの取材に対し水口氏が明らかにしたもので、名前は「シナスタジアスーツ」という。開発は慶応義塾大学の関係者らと進められた。スーツには全26個のバイブレーションが装着されており、各バイブレーションがゲーム中のプレイと連動して振動するのだという。水口氏は「バイブレーションでテクスチャを感じることができる。バスやキックスネアの音みたいに、サウンドテクスチャを感じることが可能なんです」と説明している。
スーツにもある「シナスタジア」とは、水口氏が長年にわたりゲーム開発のテーマとして挙げている「共感覚」のこと。”ある刺激に対し複数の感覚を感じる”という意味の単語で、ゲームの刺激を映像や音だけでなく振動でも感じることができる「シナスタジアスーツ」はまさに「共感覚スーツ」と言えるだろう。2011年にリリースされた『Child of Eden』では、水口氏が全身にコントローラーを装着して”バイブレーションを立体化”しようとした開発秘話があり、その完成系が今回の「シナスタジアスーツ」とも見ることができそうだ。
なお残念ながら、水口氏は各メディアに対し現時点では「シナスタジアスーツ」の製品化は考えていないことを明らかにしている。Kotakuの映像などを見る限りではスーツには多数のコードを接続し、さらに専用アプリケーションで制御する必要があるようだが、なんとか一般プレイヤーも遊べるようにして欲しいところだ。
先週末に初登場した『Rez Infinite』は単なるPlayStation VR対応バージョンではなく、『Rez』の”リメイク作”として発表されている。グラフィックは『Rez HD』の720pから1080pへとよりソリッドに、オーディオは7.1chサラウンド/3Dサウンドに対応。またフレームレートは、通常プレイ時で60fps、PlayStation VRでプレイ時には120fpsを達成する。ゲームプレイ面でも新たなエリアとなる”Area X”が登場するという。
『Rez Infinite』は2016会計年度Q2にリリース予定だ。