「Minecraft」ライクな箱庭サバイバルゲーム『Eco』が始動、プレイヤーたちは“生態系の滅亡を防ぐ”ことができるか?
『Minecraft』のゲームプレイをベースに独自の生態系システムを組み込んだゲーム『Eco』のKickstarterキャンペーンがスタートした。初期目標額は10万ドルとなっており、記事執筆時点ではすでに1万8000ドル弱が集まっている。キャンペーンは現地時間9月10日、31日後に終了する見込み。
『Eco』は今年6月に紹介した箱庭型のサバイバルゲームだ。開発は水理パズルアクションゲーム『Vessel』などを手がけてきたStrange Loop Gamesが担当している。トレイラーを一見すると、『Eco』は単なる『Minecraft』のクローンサンドボックスゲームに見えるかもしれないが、プレイヤーたちが独自に「法」を作り「生態系の滅亡を防ぐ」という独自のコンセプトが盛り込まれている。
参考記事: 世界を生き長らえさせ“生態系の滅亡”を防ぐ箱庭型サバイバルゲーム『Eco』
生態系の滅亡を防ぎつつ文明を築く
『Eco』の舞台となる惑星は、プレイヤーがゲームを終了しているあいだもサーバー上にて24時間シミュレートが繰り広げられている。植物たちは成長し、動物たちは餌を求めて狩りをし、繁殖して個体数を増やしてゆく。プレイヤーの目的は、この惑星上で世界と共存しつつ文明を築くことだ。基本的なゲームプレイは『Minecraft』と同じで、資源を手に入れてさまざまなアイテムやツールをクラフトし、建物や装置などを作ってさらにできることを増やす。
一方で『Minecraft』と『Eco』でもっとも異なるのが、資源を獲得する際に、環境に何らかの影響がでてしまうという点である。たとえば木材を手に入れるために森林伐採しすぎれば、砂漠化が進んでしまう。鉄などを手に入れるための採掘作業は、地面や水を汚染してしまう。毛皮を手に入れるために動物を狩りすぎれば、その種は絶滅してしまう。
そうやって自然や環境の破壊が進むと、特定の資源は二度と入手できなくなる。食料や資源が枯渇すれば、プレイヤーたちの築いた文明は維持できなくなってしまい、最終的にはサーバー上に「二度と再生できない死んだ世界」が残されることになる。プレイヤーたちは文明を築きつつ、生態系が滅亡することも防ぎ、世界と共存しなければならないということだ。
法、建物、スキル、経済、技術、世界の破滅
世界と共存しつつ文明を築くという『Eco』のコンセプトは面白いが、オンラインゲームであれば環境破壊を繰り返す悪意あるプレイヤーや、自身の意見を押し通そうとする人たちの出現も予測されるだろう。
これに対し『Eco』では、それぞれのグループが議論や投票により「法」を制定できるというシステムを導入している。たとえば「24時間で鹿を狩れるのは5匹まで」といった法を制定すれば、鹿の乱獲を防ぐことができるというわけだ。ゲーム中では生態系のシミュレーションデータも見ることが可能であり、どの動物が減少しているかなどの情報を即座に確認することができる。
このほか『Minecraft』タイプのゲームと異なるのが、本作で建てた建物は実際にプレイヤーに影響を与えるという点だ。たとえば「家」を建てれば、家のなかにいるあいだ空腹ゲージの減少は70パーセント減少する。木材を加工するには製材所、パンを焼くには製パン所が必要だ。学校や図書館を建設すれば、スキルの学習速度を早めることができる。
そう、『Eco』では収穫や農業、調合などのさまざまなスキルが存在する点も特徴である。一人ですべてを覚えきることは不可能なため、それぞれのスキルに特化した複数のプレイヤーたちが協力し、文明を築く必要がある。スキルの学習速度は前述の建物のほか、「健康状態」と「食事」によっても影響を受ける。ジャンクのような食べもので腹を満たすのではなく、栄養価の高い良い料理を食べれば、スキルが成長するスピードは高まるというわけだ。
このほか『Eco』にはプレイヤー同士がアイテムを売買できる「経済システム」や、資源を消費して実験を繰り返すことで新たなアイテムや建物をアンロックできる「技術ツリー」のようなシステムも導入されている。さらにはサーバーごとのオプションで「世界の破滅」を設定することが可能で、たとえば隕石の襲来や深刻な干ばつ、温暖化や噴火などさまざまな問題がプレイヤーたちの文明を襲うようにできるという。現実世界と同じく自然や世界と共存するだけでとても難しそうな『Eco』だが、さらなる難易度を求めているプレイヤーたちは挑戦してみるのもいいかもしれない。
『Eco』はSteam Greenlightをすでに通過しており、Steamにてリリース予定。配信時期は早くとも2017年になる。『Minecraft』に『SimCity』や『Civilization』のようなシミュレーション要素を導入した本作は野心的で興味深く、今後の続報が楽しみとなりそうだ。