ifの未来描く一人称視点SFホラー『P・O・L・L・E・N』今月Steamで配信へ、君は衛星タイタンで”何”と遭遇するか?

フィンランドのゲームデベロッパー「Mindfield Games」は、4月20日に『P・O・L・L・E・N』をSteamなどでリリースする。同作は木星の衛星「タイタン」を舞台とする一人称視点のSFホラーアドベンチャーゲームだ。美麗なグラフィック、豊富なインタラクティブ要素、そして重厚なSF世界観が魅力。

フィンランドのゲームデベロッパー「Mindfield Games」は、4月20日に『P・O・L・L・E・N』をSteamなどでリリースする。同作は木星の衛星「タイタン」を舞台とする一人称視点のSFホラーアドベンチャーゲームだ。美麗なグラフィック、豊富なインタラクティブ要素、そして重厚なSF世界観が魅力。昨年発売の『SOMA』や開発が続く『Routine』などが登場し賑わいを見せているSFホラーにおいて、新気鋭の期待作となっている。

『P・O・L・L・E・N』に登場する人類文明は、我々の生きている世界とは微妙に異なる歴史を辿っている。ケネディ暗殺事件は失敗し、インターネットは開発されず、ソビエト連邦とアメリカ合衆国は地球外の資源を手に入れるため協力して宇宙開発を継続した。宇宙での発見や技術の共有により、宇宙事業は民間企業が主導権を握るようになっており、採掘研究コロニーが太陽系のそこら中に設立されている。

ゲームの舞台となるのは、宇宙開発企業「RAMA Industries」によって土星の衛星タイタンに設立された基地「ステーションM」だ。この研究基地では謎の失踪事件が発生しており、働いていた研究者たちがこつ然と姿を消しているという。プレイヤーは補充の従業員として「ステーションM」に向かい、基地内部を調査しなければならない。

本作は1995年の衛星基地での探索が描かれており、『Rountie』などでも描かれている「レトロフューチャー」なビジュアルも魅力の1つである。21世紀よりも前の人類が想像していたレトロな未来のイメージと、インターネットが開発されなかったというifの歴史がどのように絡むのかは興味深い。本作は豊富なインタラクティブ要素も特徴の1つとなっており、そういった設定に思いを馳せながら基地内のアイテムを物色するだけでも楽しめそうだ。

landing_pod_wまたインスピレーション元となったSF作品としては、「ソラリスの陽のもとに」や「2001年 宇宙の旅」などが挙げられている。前者では意思を持つ海の惑星、後者では人類の進化をうながすモノリスといった超越的な存在が描かれており、『P・O・L・L・E・N』でもそういった”人間の知識や想像を超える範疇のなにか”との遭遇が描かれるのかもしれない。

なおゲームエンジンに「Unity 5」を採用した本作は、「Oculus Rift」や「HTC Vive」といったVRヘッドマウントディスプレイでのプレイにも対応しており、新しいVRゲームを求めている人もチェックしてみるべきだろう。開発の「Mindfield Games」は、VRゲームの開発を大きなテーマにして設立されたスタッフ15人のスタジオ。Remedy EntertainmentやRovio、HousemarqueにUbisoftといった有名デベロッパーの元開発者らが参加している。

『P・O・L・L・E・N』は4月20日にSteam/Oculus Home/Humble Storeなどでリリース予定。なおローンチ時にはVRバージョンはベータ段階になると伝えられている

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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