Microsoftは公式ブログにて、『Fable』シリーズの開発スタジオとして知られる「Lionhead Studios」の閉鎖に関する協議が進行中であることを明らかにした。2013年8月に正式発表され開発が続けられてきた最新作『Fable Legends』の開発中止も発表されている。現在Microsoftは、Lionheadの従業員と共に提案した閉鎖の協議を進めている段階としており、今後の動向はまだ正式に決定されていない。
また2006年にデンマークに設立され、2012年に買収されたゲーム開発スタジオ「Press Play」の閉鎖があわせて発表されている。同スタジオは少年マックスを主人公とするアクションパズルゲーム『Max』シリーズなどを手がけ、近年はマルチプレイヤーサバイバルアクション『Project: Knoxville』の開発を進めていたが、同作の制作中止もMicrosoftより今回明らかにされた。
Microsoftは今回の2つのスタジオに関する決定が、容易に決断できるようなものではなかったとコメント。今回の変化によりMicorosoft Studiosは、ファンがよりワクワクしてプレイしたくなるゲームやフランチャイズへの投資と開発に集中し続けることができるようになると続けている。
『Project; Knoxville』のティーザートレイラー
Lionhead Studiosは、1996年にイングランド・サリー州のギルフォードに設立され、2006年にMicrosoftに買収された開発スタジオだ。設立者は『ポピュラス』や『Dungeon Keeper』などの名作を生みだしてきた奇才ピーター・モリニュー氏。RTS『Back & White』シリーズや映画スタジオ運営ゲームの『The Movies』を開発してきたが、やはりもっとも知られているのがRPG『Fable』シリーズだろう。善悪にとらわれず思い通りに行動できる自由度の高さが受け、後にLionheadおよびMicrosoftの看板シリーズへと成長した。また2009年のE3では、少女と話すKinect向け技術デモ「Project Milo」を公開しており、当時衝撃を受けた人もいるのではないだろうか。なお2012年には、ピーター・モリニュー氏が新スタジオ22Cansを設立し新作ゲームを開発するため、同スタジオとMicrosoftを退社している。現在は約100人のスタッフが在籍しているとされていた。
2010年発売の『Fable III』以降、Lionheadは『Fable』シリーズのKinect向けスピンオフやリマスター版に従事していた。そういう意味で、『Fable Legends』はLionheadが手がける久々の大型プロジェクトだったのだが、残念ながらついに日の目を見ることはなくなった。ゲームは1vs4型のマルチプレイヤー対戦タイトルで、4人のヒーローが3Dアクションのゲームプレイで目標を達成するため敵を倒し、1人のヴィランが敵側としてリアルタイムストラテジーの枠で彼らを妨害する。Unreal Engine 4を採用している点や、Windows 10/Xbox Oneのクロスプラットフォームプレイに対応している点、Free-to-Playが採用されている点も特徴とされていた。
なお海外メディアEurogamerの取材によれば、同作は2014年からクローズドベータが実施されていたが、このテスト期間中に購入したインゲーム通貨については全額返金の対応を受け付けているという。今後、Microsoftからメールが配信される予定で、返金を望むプレイヤーはそれに従うといいだろう。