【UPDATE 2016/3/16 7:15】ソニーは海外メディアGameSpotに対し、Microsoftの「クロスネットワークプレイ」に関する公式声明を発表した。同社代表は、「PlayStationは2002年にリリースしたPS2/PC向け『ファイナルファンタジー11』から始まり、複数のソフトウェアタイトルでPC間とのクロスプラットフォームをサポートしてきました」とコメント。「クロスプラットフォームプレイに興味のあるいかなるパブリッシャーやデベロッパーとも、喜んで対話をしたいと考えています」と伝えている。
Microsoftは、Xbox LIVEと”ほかのオンラインサービス”のプレイヤーたちが共にインターネット上でゲームをプレイできる「クロスネットワークプレイ」の概要を明らかにした。ゲーム開発者カンファレンス「GDC」の開催に合わせ、公式ブログXbox Wireで発表されている。
MSからソニーへ”招待状”
「クロスネットワークプレイ」の第1弾タイトルとしては、車を運転してサッカーをプレイする人気ゲーム『Rocket League』が発表されている。同作はPC/PS4/Xbox One向けにリリースされており、それぞれSteam/PSN/Xbox LIVEと異なるオンラインマルチプレイヤーネットワークが採用されている。今回の発表によれば、PC(Steam)とXbox One(Xbox LIVE)のプレイヤーは、共にインターネット上で対戦&協力プレイができるようになるという。
また今回の発表においてMicrosoftは、”ほかのネットワーク”もこの輪に参加するよう「公開招待状」を表明した。Xbox LIVEとSteamだけでなく、さらにPSNのプレイヤーも共にインターネット上で『Rocket League』をプレイできるよう、開発者の注目が集まるGDCに合わせてソニーへと呼びかけたというわけだ。
現在までMicorosoftは、Xbox LIVEとユニバーサルWindowsプラットフォームを軸に、Windows 10とXbox Oneの「クロスプラットフォームプレイ」をネイティブで対応する展開を示してきた。だが今回の「クロスネットワークプレイ」は、Xbox LIVEと”ほかのコンソールやPCのオンラインマルチプレイヤーネットワーク”のクロスプレイを導入するとうもの。対応タイトルにおいては、プレイヤーは各社が提供しているインターネットサービスごとの壁に閉じ込められることなく、共にオンライン上でゲームをプレイすることが可能となる。
なお「クロスネットワークプレイ」を導入するかどうかは、デベロッパーの判断次第になるという。またXbox LIVEを利用しているプレイヤーは、Xbox LIVE上だけでプレイすることも選択できるとされている。
ソニーは参加するか?
ここ数年のゲーム業界において、重大な動きの1つになったという印象だ。『Rocket League』は今回の発表前からPCとPS4のクロスプラットフォームプレイに対応しており、先日発売された『ストリートファイターV』でもPCとPS4上のプレイヤーが共にオンラインプレイできる機能が導入されていた。こういったソニーの動きとは別に、MicorosoftはMicorosoftでWindows 10とXbox Oneのクラスプラットフォームプレイを展開していたが、この両社のネットワークとPCがついに交わる日を迎えるかもしれないというわけである。
オンライン対戦やオンラインCo-opなどのマルチプレイヤーモードを搭載するゲームにおいては、「プレイヤーベース」がもっとも重要である。どれだけ優れたデザインを持つ魅力的なゲームでも、共に遊ぶ相手がいなければプレイすることはできない。今回の「クロスネットワークプレイ」が実現すれば、マルチプレイヤーモードを有するトリプルA級タイトルだけでなく、大型のプロモーションを打てず人を集めるのが難しいインディーゲームにも恩恵を与えるだろう。
今回のMicrosoftからの呼びかけにソニーが応えるかは未知数だが、どのプラットフォームを選んでも一緒にオンライン上でプレイできることは、ゲーマーにとっては望ましいもののはずだ。同じゲームをインターネット上で一緒にプレイする際に、「どのハードで遊んでるの?」とわざわざ聞かなくてもいい未来が今後やって来るのかもしれない。