『MGSV:TPP』初日の売上は映画「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」の約2倍、200億円以上に。海外で興味深い市場調査結果


METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』は、ここ最近でもっとも大きなグローバルセールスを記録した国内作品だろう。同作の売上が初日で1億7900万ドル(約212億6000万円)をあげており、映画「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」の8400万ドルの約2倍を記録したとの市場調査結果が報告された。Adobe社の情報リサーチ部門Adobe Digital Indexが公表したもので、業界メディアVentuerBeatがその詳細を報じている。

初日売上200億円以上、Adobe調べ

『MGSV』は「Fox Engine」と共に数年間にわたり開発が続けられてきた。2015年8月3日には、日本経済新聞で『MGSV:TPP』の開発費は100億円を超えると報じられている。ただしこの報道とAdobe Digital Indexの調査が正しければ、開発費100億円をゆうに超える売上を初日で記録したことになる。

なお近年でもっとも華々しいセールスを記録したRockstar Gamesの『Grand Theft Auto V』は、ローンチ初日で8億ドル(約960億円)の売上を記録したことが明らかにされており、それと比較すれば『MGSV:TPP』の売上もありえない数値ではないだろう。多数のメディアが今年のGoTYのごとく発売前にハイスコアレビューを付け、国内外のAmazonなどで一部機種版の売り切れ状態が見られたのはまだ記憶に新しい。

ゲーム、映画よりも市場を拡大?

Venture Beatは、『MGSV』の開発費が8000万ドルであったのに対し、映画「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」の制作費は2億5000万ドル要したことを記事中で指摘している。またオランダの市場調査グループNewzooによる年内の調査では、ゲームの市場価値は915億ドル、また映画の市場価値は883億ドルになると報告されたことも付け加えた。トリプルA級タイトルの不調や開発費の高騰が叫ばれるなか、一方でビデオゲームはハリウッドよりも市場を拡大しつつあるというのが、Venture Beatの主張だ。Adobeの主要アナリストTamara Gaffney氏も、「ゲーム産業は多くのマーケター達が理解しているよりも非常に大きい。こういったゲームは初日にソーシャル上で映画以上に注目を集める」とコメントしている。

ビデオゲームと映画の収益モデルは異なり、ビデオゲームはソフトウェアやデジタルデータを初日から売るのに対し、映画はシアターにて上映されそのチケット代が売上となることには留意したい。とはいえ、ビデオゲームのトップ陣が映画規模の売上を記録しつつあるという報告は素直に嬉しいところだ。