Epic Gamesは9月17日、コンテンツマーケットプレイス「Fab」を10月中旬に公開すると発表した。この中では、Unreal Engineユーザーの「Quixel Megascans」の利用について有料化する方針が明らかにされた。
Fabは、Unreal Engineマーケットプレイス、Sketchfab、ArtStationマーケットプレイス、Quixel.comを引き継ぐ、新たなコンテンツマーケットプレイスだ。各プラットフォームのマーケットプレイス部分が統合され、クリエイターはデジタルアセットを検索、公開、共有、販売可能。なお、SketchfabやArtStationにおいては、ポートフォリオの公開の場などとしての機能は引き続き提供される。
Fabの公開に伴って、Quixel MegascansのコンテンツがQuixel.comとBridgeからFabに移行されることが今回案内された。また2025年からは、Megascansの継続的な強化、キュレーション、新しいMegascansコンテンツの作成をサポートするためとして、利用料金が導入されるという。これまではUnreal Engineユーザーに無料提供されてきたが、有料化されるかたち。一部のコンテンツは引き続き無料で提供されるものの、大半は無料で無制限に使用することはできなくなるとのこと。
なお、Fabを通じて取得したQuixelコンテンツに関しては、無料であれ有料であれその後も永久に使用可能。すなわち、2024年末までに無料で取得したコンテンツは、有料化後も引き続き保有・使用できる。これについてEpic GamesのCEO Tim Sweeney氏は「Epic Gamesストアで配布している無料ゲームのようなものだ」と説明している。
Megascansは、2Dおよび3Dのフォトグラメトリーアセットを広範囲に集めた、世界最大規模のライブラリだ。ゲームや映画などにおけるリアルなシーンの制作にて使用され、たとえば『Metro Exodus』『Destiny 2』『Battlefield V』といったゲームや、「パシフィック・リム: アップライジング」「ブラックパンサー」などの映画にて採用されている。
開発元のQuixelは2019年11月にEpic Gamesに買収され、Unreal Engineユーザー向けにMegascansなどの提供が開始。当時Tim Sweeney氏は、「MegascansはUnreal Engineで使用する場合一切無料となります。このようなレベルにある芸術作品が、AAAスタジオでもインディースタジオでも、だれもが等しく使えるようになったのです」と述べていたが、先述した理由により有料化される運びとなった。
ただ、2024年末までにリリースされたコンテンツに関しては、Fabを通じて無料で取得でき、また今後も利用可能とされた。Megascansコンテンツを利用するUnreal Engineユーザーは、Fab公開後にチェックしておくと良いだろう。
Fabは10月中旬に公開予定。また9月17日には、Unreal Engineマーケットプレイスの販売者が、製品をFabに移行するためのパブリッシングポータルが公開されている。Fabの詳細は公式サイトでの発表を参照してほしい。