『Marvel’s Spider-Man 2』PC版、Steam Deckとの互換性評価がひっそり引き下げられていた。パフォーマンス改善の取り組みは続く
ソニー・インタラクティブエンタテインメントから今年1月にリリースされた『Marvel's Spider-Man 2』のPC(Steam)版について、Steam Deckとの互換性が一度は「確認済み」とされたものの、その後評価が変更され一部で注目されているようだ。

ソニー・インタラクティブエンタテインメントから今年1月にリリースされた『Marvel’s Spider-Man 2』のPC(Steam)版について、Steam Deckとの互換性が一度は「確認済み」とされたものの、その後評価が変更され一部で注目されているようだ。海外メディアPC Gamerなどが報じている。
本作は、Insomniac Gamesが手がけたオープンワールド・アクションゲーム『Marvel’s Spider-Man』の続編だ。ニューヨークの街を舞台に、スパイダーマンとして活躍するピーター・パーカーとマイルズ・モラレスを切り替えながら、ヴェノムをはじめとするスーパーヴィランたちに立ち向かう。
『Marvel’s Spider-Man 2』はPS5向けに2023年10月に発売され、今年1月になってPC(Steam/Epic Gamesストア)版がリリースされた。移植開発はSIE傘下のNixxes Softwareが担当。PS5版のコンテンツをすべて収録したうえで、上限のないフレームレートやウルトラワイドディスプレイへの対応、マウス&キーボード操作のサポートなど、PC向けの最適化がおこなわれている。
そしてPC(Steam)版においては、リリース後の2月中旬になって、Valveの携帯型ゲーミングPCであるSteam Deckとの互換性が「確認済み」と評価された。Steamで配信されるゲームにおいては、ValveがSteam Deckとの互換性を確認し、その結果を公表する仕組みが存在。「確認済み」は、すべての互換性チェックに合格し、ユーザーは設定作業を一切することなくゲームの全機能にアクセスできることを意味する。
ただ3月下旬になって、本作の互換性評価が「プレイ可能」へと突如変更された。こちらは、Steam Deckで動作はするが、ユーザーによる手動の操作が必要になることを示している。本作の場合は、グラフィック設定を手動で調整しないと快適に動作しないことから、この評価になったそうだ。

Steam Deckとの互換性評価が変更される場合は、開発元の対応により「プレイ可能」から「確認済み」へ、あるいは「非対応」から「プレイ可能」や「確認済み」に引き上げられることがよく見られるパターン。アップデートの配信などによって意図せず互換性が低下する例もあるが、評価が引き下げられることは比較的珍しい。ただ本作『Marvel’s Spider-Man 2』においては、互換性が「確認済み」と評価された当時から、ユーザーからはその動作に不満の声が寄せられていた。
そもそも本作では、パフォーマンス面での最適化不足が指摘され、Steamユーザーレビューは当初「賛否両論」ステータスに(関連記事)。その後開発元は、パフォーマンス改善などを目的としたパッチを随時配信し、先日4月10日にも8回目のパッチ配信がおこなわれた。その結果、本稿執筆時点でレビューステータスは「やや好評」にまで持ち直している。
Steam Deckでの動作については、低解像度・低フレームレートでないとプレイできないといった報告が当初あり、それにもかかわらず互換性が「確認済み」と評価され、ユーザーからの疑問の声が散見された。Valveは、ユーザーや開発者からの報告をもとに互換性レビューを再度実施することがあり、本作ではそれを受けて「プレイ可能」へと変更されたのかもしれない。今のところInsomniac GamesやNixxes Softwareからは本件について特にコメントは出されていないが、今後さらに最適化が進められていくなかで、「確認済み」の再取得に向けた取り組みもおこなわれることが期待される。
『Marvel’s Spider-Man 2』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5向けに発売中だ。