米国の大手ビデオゲーム企業、「同性婚」の合法化に賛同。BethesdaやEAなどTwitter上で


アメリカ合衆国最高裁判所は現地時間の6月26日、全50の州において「同性婚」を認める判決を下した。AP通信によると、9人の判事のうち5人が賛成し4人が反対したという。「同性のカップルは結婚の基本的権利を行使することができるだろう」と裁判所は伝えており、その権利を奪う法律は違憲との判断を下している。

米国において、同性婚は36州で認められていたが、14州では禁止されていた。一部の保守層や宗教団体が同性婚に対して根強く反対してきた一方で、近年、オバマ政権のLGBT支持にも後押しされ、世論は同性愛を受けいれる方向へと傾きつつあった。今回の判決は、その動向における象徴的な歴史の一幕になるだろう。

オバマ大統領がハッシュタグ「#LoveWins」と共に今回の判決をツイートしたことで、Twitter上では多くの著名人や企業が同性婚の合法判決を賞賛している状況だ。それはゲーム業界にも波及しており、Bethesda SoftworksやElectronic Artsといった大手企業が賛同のメッセージをツイートしている。

Bethesda Softworksは、「およそ1986年頃のロゴ」とアイコンを変更している。5色のカラーは、LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、ジェンダークィア)を示している。

Activisionは愛が「E」にレーティングされたと伝えている。北米のレーティング機構ESRBにおいて「E」は6歳以上の全プレイヤーに推奨される「Everyone」の頭文字である。

PlayStationの公式TwitterアカウントはLGBTを示す5色のハートをツイートしている。

Bungieはハッシュタグ「#LoveWins」をツイートした。現在Twitter上では、このハッシュタグをつぶやくと5色のハートが表示されるようになっている。

ロゴマークと5色の旗を掲げるElectronic Arts。「我々のプレイヤーや従業員にとって素晴らしき日」とのメッセージを送った。『Dragon Age』や『Mass Effect』など、異性だけでなく同性同士のラブロマンスも含む作品を描いてきたBioWareも、公式Twitterアカウントにてこのツイートをリツイートしている。

Electronic ArtsとMaxis下にて開発されている人生シミュレーションゲーム『The Sims』は、いち早く同性愛の表現を取り入れたシリーズでもある。

Atariはロゴマークが5色へと変化している。

ファンアートと共に賞賛する『Borderlands』の公式Twitterアカウント。開発元Gearbox Softwareも公式Twitterアカウントにてこのツイートをリツイートしている。

『League of Legends』開発のRiot GamesのロゴもLGBTQカラーへと変化している。「1人よりも2人の方が素晴らしい」とツイートしている。

『League of Legends』でも公式Twitterアカウントがファンアートと共にメッセージを送っている。

ビデオゲーム業界においては、前述したBioWareのタイトルや『The Sims』などにおいて同性愛の表現が描かれている。また米国では同性愛者をテーマにしたコンベンション「GaymerX」がKickstarterでの資金集めを経て毎年開催されるようになっており、今年12月の「GX3: Everyone Games」にてイベントは4度目を迎える。先日には、Nintendo of Americaが『ファイヤーエムブレム if』にて同性婚に対応することを発表していたばかりだ。

もちろん、米国を中心とした多くのゲーム企業が「同性婚」への支持を示したからといって、各社が即座に同性愛をゲームのなかで描くわけではないだろうし、必ず描かなければならないという決まりもないだろう。ただ、以前よりも同性愛を普遍的な題材や要素としてゲーム内で自由に描きやすくなり、すべてのゲーマーがそういった表現を楽しめるようになるのであれば、それは喜ばしいことだ。