ロンドンのBoris Johnson市長は、120万英ポンド(約2億円相当)を投じて同市内のゲーム開発を支援する「Games London」プログラムを発表した。現地メディアThe GuardianやEurogamerが報じている。カンファレンスはサンドボックスゲーム『Minecraft』内にて実施され、発表もJohnson市長みずからがアテレコで行ったというから、ゲーム開発の促進に本気で取り組もうとする同市の姿勢がうかがえる。
「Games London」プログラムは、ロンドンの映像産業を支援する公的メディアエージェンシー「Film London」と、英国内のゲーム産業をサポートする組織「Ukie」によって実施される。英国では2014年からゲーム産業を対象とした税控除などが行われているが、今後はさらにスキルを訓練するイニシアティブが開発者へと提供され、ロンドンへの開発スタジオ誘致も進められる見込みだ。
また2006年から2012年にかけて開催されてきた「London Games Festival」も、「Games London」プログラム内にて今後ふたたび実施されることになるという。毎年4月に各地で実施されてゆく予定で、2週間にわたり「サマセット・ハウス」での商用ゲーム展示会や、英国映画協会におけるトークセッション、小規模なイベント群が実施される。これらのイベントは「BAFTA Games Awards」「EGX Rezzed」に相当するものになるとされている。
行政がゲーム開発を支援する時代
今回のように、ゲーム開発を行政が支援する例は珍しくはない。たとえばカナダのモントリオールは以前からゲーム開発の支援を推進している都市の1つで、UbisoftやElectronic Arts、Bethesda Softworksの開発スタジオの誘致にも成功している。何十億ドルも売り上げるようなトリプルA級タイトルや、ヒット作を生みだす開発スタジオ群が都市に根付けば、それだけその都市の税収は増えることになり、雇用促進や経済の活性化にも繋がる。
また注目したいのが、2012年以降開催されて来なかった「London Games Festival」の復活だ。欧州ではドイツにて「gamescom」、フランスにて「Paris Games Week」が例年開催されており、これらの巨大イベントに匹敵するような規模となるのかには注目が集まるだろう。
Johnson市長は『Minecraft』を通じて、「ゲームとインタラクティブエンターテイメントがやって来た時、すでにロンドンはスタープレイヤーでした。しかし国際的な競争は熾烈であり、我々は自身の都市が世界的なゲーム産業のライバルに打ち勝てるようにする必要があります」とコメント。ロンドンが世界を牽引できるようなゲーム都市のレベルへと成長するよう、動的で継続した投資を続けてゆくとしている。