KRAFTON、『PUBG』が絶好調で「2024年度は史上最高の売上だった」と報告。『サブノーティカ2』『inZOI』などビッグな新作のIP強化に繋げる

韓国を拠点とするパブリッシャーKRAFTONは財務諸表を発表。その中で2024年度の売上が史上最高で、前年同期比で大幅な成長を見せたことを報告した。

KRAFTONは、韓国の大手ゲーム会社だ。傘下には世界的な人気をもつバトルロイヤルシューター『 PUBG: BATTLEGROUNDS』を手がけるPUBG Studiosや、海洋惑星サバイバル『サブノーティカ(Subnautica)』の開発元Unknown Worldsなど擁している。

発表によるとKRAFTONの2024年度の売上は前年度比で41.8%増、利益は54%増となった。これにより、同社の過去5年間の売上の年平均成長率は20%になったといい、業績を大きく伸ばしたことがうかがえる。

同社によると、『PUBG』が安定した成長を遂げていることが、同社の売上成長に繋がったという。同作IPの継続的なサービス強化とコンテンツアップデートや、PCからモバイル・コンソールへのプラットフォーム拡大も成長の背景としてあるそうだ。


『PUBG』はバトルロイヤルシューターの火付け役となった人気タイトルだ。2018年にはスマホ版である『PUBG MOBILE』が配信されたほか、PC・コンソール版は2021年に買い切り型から基本プレイ無料に移行している。根強い人気のあるゲームで、Steamでは直近でも連日ピーク時に約70万人を記録(SteamDB)。最近は『Payday』や『Dead by Daylight』『NieR』シリーズなどの有名他社タイトルや、「にじさんじ」などさまざまなキャラクターコンテンツとのコラボに積極的で、そうした施策も『PUBG』の成長を持続的に促進しているのかもしれない。

なおKRAFTONは今回の発表で、「ビッグフランチャイズIPの確保」に多額の投資をしていく方針を伝えている。具体的には3月に早期アクセス配信開始を控える『inZOI』や、年内に早期アクセス配信予定の『サブノーティカ2』、モバイル版の展開が予定されている『Dark and Darker』『Dinkum』などのIPを強化する方針があるようだ。また先日には『PUBG』の名を冠する見下ろし対戦シューター『PUBG: BLINDSPOT』が正式発表されており、『PUBG』IPを活かした新作展開もIP強化方針の一環としてあるのかもしれない。

『Dinkum』


なおKRATFONといえば、去年にはMicrosoftが閉鎖したTango Gameworksの事業を継承し、『Hi-Fi RUSH』のIPの権利を獲得したことが記憶に新しい。KRATFONにはクリエイティブなスタジオに投資してIPを育てつつ、独創的なゲームのラインナップを増やす狙いがあるそうで、そうした方針もTango Gameworksの事業継承の背景としてあったようだ(関連記事)。

2024年には『PUBG』の好調が業績の成長に大きく貢献したというKRATFON。今年は『inZOI』や『サブノーティカ2』といった同社が投資に注力したとみられる新作も複数リリース予定であり、動向が注目されるところだろう。ちなみにKRATFON傘下のPUBG Studiosはポケットペアが手がける『パルワールド』のモバイル版の開発を担当するという。こちらの続報にも注目したい。

Masahiro Niimi
Masahiro Niimi

気がついたらトロコンしてる重度のやり込み派ゲーマー。無限に時間がほしい。

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