フランスのゲームメディアGameblogが報じた9月18日付けのニュースを発端に、海外で「コナミはもう『ウイニングイレブン』以外のトリプルA級コンソールタイトルを開発しない」という情報が広まっている。Gameblogは、Fox Engine開発に携わったJulien Merceron氏がコナミを退社したほか、コナミが非トリプルA路線を進み始めているとのニュースを2度にわたり伝えた。Gameblogから明確なソースは提示されていないが、IGNやEurogamerなど大手の海外メディア2つがこのニュースの裏を取ったと伝えている状況だ。
Julien Merceron氏は、もとはワールドワイド・テクノロジー・ディレクターとしてスクウェア・エニックスに7年間も在籍していた人物だ。2013年10月、Fox Engineの開発に参加するため、小島プロダクションへ移籍した。9月17日付けのGameblogのニュースでは、Merceron氏は現状のコナミが進めるコンソール市場からモバイルゲームへの移行に賛同できず退社したと伝えられている。
コナミは『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』のローンチを終え、10月には新『METAL GEAR ONLINE』のサービスを控えている。そして『PES 2016』をリリースし終えたあと、コナミはしばらくトリプルA級タイトルから身を引くというのが、Gameblogが伝えるもう1つのストーリーである。『PES』が継続される理由に関してEurogamerは、コナミが「UEFA EURO 2016」のライセンスを取得しているからだと伝えている。確かにコナミは2018年まで「UEFA」のライセンスを取得している。
国内では『実況パワフルプロ野球』の新作がPS4/PS3/PS Vita向けに発表されたばかりで、今回の情報において“トリプルA級タイトル”が何を指すのかは注意したいところだ。コンソール向けトリプルA級タイトルとは、ワールドワイドな展開を視野に入れた大作と見る方がよいだろう。コナミは公式サイト上にて「KONAMIは新たな『メタルギア』シリーズの制作に着手することを決議しました」と伝えているが、Gameblogは現時点でコナミは大型の『METAL GEAR』作品を作る計画を有していないと報じている。
コナミデジタルエンタテインメントでは、2015年4月1日からソーシャルゲーム『ドラゴンコレクション』を生みだした早川英樹氏が社長に就任。日経トレンディでのインタビューを皮切りに、『P.T.』から続く『Silent Hills』の開発中止や、開発の本部制移行に伴う小島プロダクションの解体吸収など、改革を続けてきた。自社IPのモバイル展開を進めるという旨の発言もあり、従来のビデオゲームファンから批判を浴びている。