コナミ株式会社(当時の名称)が取得していた「ゲーム空間を鳥瞰で表示する場合に、プレイヤーキャラクターの姿や視界の範囲を、壁や床の存在にかかわらず表示できる特許」が、5月15日付けで存続期間を満了した。3Dゲームのカメラワークにおける利便性を劇的に向上させる技術であっただけに、これまで一部のユーザーからは同特許による使用制限が問題視されてきたが、今後はこの機能を自由に使用することが可能になる見込みだ。
この特許の正式名称は「ビデオゲーム装置及びビデオゲームプログラムを格納したコンピュータ可読媒体」。三人称視点の3Dゲームにおいて、操作するキャラクターが壁際に迫った場合、通常はカメラが壁に遮られて同じ方向からキャラクターを表示できない。この課題を解決するために、コナミはプレイヤーキャラクターを隠している壁又は床を半透明にするとともに、その背後を表示できるよう画像データを修正する技術を発明した。特許情報プラットフォームによると、同特許は1996年5月15日に出願されたもので、今年で存続期間が満了する20年を迎えたことになる。
昨年11月には、ナムコ(現バンダイナムコゲームス)が取得していた「ロード画面中にミニゲームがプレイできる特許」が、国内に続いて米国でも存続期間を満了したことが伝えられていた。1999年にコナミとナムコの間で勃発した特許をめぐる訴訟合戦を機に、世間から脚光を浴びたことで周知された。後にコナミはナムコを含む複数の企業と和解した。当時、コナミは他にも多くの特許を同時期に出願していたといわれており、今回存続期間が満了した権利もその中の一つだったと考えられる。これまで他社が同技術を使用する際は、コナミに特許料を支払うか、権利を侵害しないようカメラワークを工夫する必要があった。