Kickstarter成功が一転して失敗に、STG『Dimension Drive』へのユーザー不正支援


本日早朝、オランダのインディーデベロッパー2Awesome Studioが実施していた『Dimension Drive』のKickstarterファンディングが終了した。初期目標額は3万ユーロだが、実際に集まった額は2万3481ユーロに留まり、開発資金の獲得には至らなかった。このKickstarterが終了する直前、初期目標額までの差額7000ユーロ(約95万円)を不正に支援したユーザーが現れ、クラウドファンディングが一時成功したと表示される一幕があった。

『Dimension Drive』は、無限次元の宇宙を舞台とするSFテーマの縦シューティングゲームだ。宇宙を支配し圧政を敷く種族「Ashajuls」と、Dalkian族唯一の生き残りである「Jack」とAI「V.E.R.A.」、そして自機「The Manticore」の戦いを描く。常に画面上に2種類のフィールドが表示されるのが特徴で、プレイヤーは両フィールドをテレポートしながら敵を倒したり、装置を動作させて前進する。力のこもったストーリー表現やキュートなキャラクターも魅力の作品だ。

 

 

『Dimension Drive』のKickstarterファンディングは4月14日よりスタートした。2Awesome Studioは作りこまれた公式サイトやPV、スクリーンショットを用意し、Twitch配信などで頻繁にアップデートを繰り返していった。終了を目前にして支援も加速していったが、初期目標額を突破するにはまだ7000ユーロ以上が必要だった。そんななか、クラウドファンディングの終了31分前に、Jonathanを名乗る人物が7000ユーロをポンと投入したのだ。その後、残り数百ユーロも無事に集まり、『Dimension Drive』のKickstarterファンディングは成功したかに見えた。

Dimension DriveのKickstarterファンディングは失敗に終わった
Dimension DriveのKickstarterファンディングは失敗に終わった

だが直後にKickstarter側から、この7000ユーロの支援は不正に行われたことが明らかにされ、無効とされた。結果的に『Dimension Drive』に集まったのは約2万3000ユーロに留まり、クラウドファンディングは失敗の判定を下されることとなった。

Twitter上でJonathanは我々のヒーローだと褒め称え、クラウドファンディングの成功を喜んでいる様子を見せた2Awesome Studioは、天国から地獄へと叩き落とされた格好だ。同スタジオはKickstarter側から不正支援に関する連絡があったことを報告し、「誰かが我々の夢をもてあそんだみたいだ。混乱させてしまって申し訳ない」とツイートしている。「どうすればいいのかわからない、精神的に打ちのめされたよ。どうすればいいのかわからない」。同スタジオは海外メディアKotakuの取材にも応じ、「チームは今とても打ちのめされている。正直なところ、ローラーコースターのような一晩だったよ」と答えている。

現時点でこの7000ユーロの支援がどのような意図で行われたのかは不明だが、2Awesom Studio側はこの支援が不正(fraudulent、他人を欺くという意味合いが強い)に行われたと表現している。今回の件が悪質なイタズラにしても、あるいは幼稚な義援行為だったとしても、開発陣が多大なショックを受けたのは間違いないだろう。