デベロッパーのSDK Innovationは10月11日、「Junk Store」をPC(Steam)にて配信すると発表し、Steamストアページを公開した。配信時期や価格は未定。
「Junk Store」はゲームではなく、Steam Deckで使用することを目的としたランチャーアプリだ。Epic GamesストアやGOG.comなど、ほかのPCゲームストアにてユーザーが所有するゲームを、Steam Deckでプレイする際に役立つ機能が用意される。
「Junk Store」では、当初はEpic GamesストアとGOG.comがサポートされる予定。本アプリから各ストアのアカウントにログインすると、それぞれで所有するゲームがストアごとのタブに分けて表示され、個別にインストールしてプレイできる。Epic Gamesストアのゲームであれば、同ストアの実績機能やEOS(Epic Online Services)オーバーレイにも対応するという。
通常Steam DeckにてEpic GamesストアやGOG.comのゲームをインストールする場合は、Linux PCとして利用できるデスクトップモードに切り替えて、Epic Games LauncherやGOG GALAXYといった各ストアのランチャーを導入する必要がある。「Junk Store」ではそうした手間なく、デフォルトのゲームモードのまま、アプリ内でゲームのインストールから起動までが完結する。
また、Steam Deckのインターフェースや機能に対応し、たとえばクイックアクセスメニューから各種設定をおこなったり、互換レイヤーであるProtonのバージョンをゲームごとに指定したりといったことも可能。知識さえあれば、ユーザー側で機能を追加することもできるそうだ。
もともと「Junk Store」は、「Decky Loader」と呼ばれるSteam Deck用アプリのプラグインとして開発された。「Decky Loader」では、たとえば独自の起動アニメーションを設定したり、UIをカスタマイズしたりなど、さまざまな機能をプラグインを通じて導入することができる。
そのプラグインのひとつに「Junk Store」があり、今回「Decky Loader」なしで使用できるスタンドアロン版アプリが開発され、Steamにて配信されることが決定した格好だ。すなわち、Steam Deckのデスクトップモードに切り替えて「Decky Loader」を導入するための細かな設定作業をすることなく、「Junk Store」をSteamからダウンロードして利用できるようになる。同様の機能をもつランチャーはほかにも存在するが、Steamを通じて提供されるのはまだ珍しい。
今回「Junk Store」のSteamストアページが公開されたということは、Valveが本アプリの内容について承認をしたことを意味する。かねてより同社は、Steam Deckをオープンなプラットフォームと位置付け、サードパーティのランチャーをブロックする意思もないと述べていたため、特に問題なしとしたのだろう(4Gamer)。もっとも、実際にリリースするにあたってはアプリのビルドについても承認を得る必要があり、Valveの最終的な判断に注目が集まる。
「Junk Store」は、PC(Steam)向けに開発中。配信時期は未定だ。