成人向けゲーム規制に揺れるPCゲーム販売サイトitch.io、「決済代行業者が定める禁止表現」を明確化。獣姦や盗撮などもアウト
PCゲーム販売プラットフォームのitch.ioは7月29日、先日実施した成人向けNSFWコンテンツの閲覧制限について、補足説明をするFAQを公開した。

PCゲーム販売プラットフォームのitch.ioは7月29日、先日実施した成人向けNSFWコンテンツの閲覧制限について、補足説明をするFAQを公開した。この中で、同プラットフォームのアダルトコンテンツポリシーについて明確化された。
itch.ioは先日7月24日、クレジットカードなどの決済代行業者から調査を受けたことをきっかけに、すべての成人向けNSFWコンテンツ、すなわちアダルトゲームのストアページについて、同サイト内でのブラウズおよび検索結果ページから除外した。それらのコンテンツが、決済代行業者の求める要件を満たしているかどうかを審査する必要に迫られ、緊急的な措置として実施された(関連記事)。
itch.ioは同ストアを利用する開発者向けのFAQにて、アダルトコンテンツの取り扱いについての情報を公開している。それによると、実在の人物を性的に描写したコンテンツや、性暴力を美化するコンテンツ、未成年者あるいは未成年者に見える人物を性的に描くコンテンツは許可されない。一方、架空の人物で描くことは、合法なものである限り基本的に問題はないとのこと。その上で、当該コンテンツが有料で販売される場合は、決済代行業者の利用規約にも従う必要があると案内されている。
ここまでは以前から掲載されていた内容であるが、決済代行業者が禁止しているアダルトコンテンツにおけるテーマが、今回いくつか具体的に示された。それは以下のとおり。
・暗示的なものを含め、合意のないコンテンツ
・未成年者、あるいはかろうじて合法(barely legal)なテーマ
・近親相姦、あるいは擬似的な近親相姦コンテンツ
・獣姦、あるいは動物に関連するもの
・強姦、あるいは強制、暴力に関連するもの
・性的目的の人身売買を示すもの
・リベンジポルノ、盗撮、隠しカメラ
・排泄物、あるいは激しい危害を伴うフェチ表現(例:スカトロ、嘔吐)
これはすべての要件を網羅したリストではなく、代表的なものが例示されたかたちだ。実際には詳細なレビューを受けたうえで取り扱いが決定するが、少なくともこうしたコンテンツを含む作品はitch.ioでは販売不可となる。またこれとは別に、生成AIを用いて実在の人物に似せて描写したアダルトコンテンツについても、itch.ioとして許可しないことが今回FAQに追記された。

今回実施されたアダルトコンテンツの閲覧制限についてitch.ioは、Collective Shoutというオーストラリアの人権擁護団体による決済代行業者への働きかけが背景にあると説明していた。これについて同団体は、削除を要請したコンテンツは限定的であり、itch.io側の判断で広範囲にわたる規制が実施されたと反論している(関連記事)。
この指摘についてitch.ioはFAQにて、すべてのコンテンツが承認を受けてからストアページが公開されるSteamとは異なり、itch.ioはオープンなプラットフォームであるとコメント。誰もが手軽にコンテンツを公開できるが故に、タグ付の不備もあってターゲットを絞って審査することが難しく、広範な規制をかけて調べる必要があったと説明している。
現在itch.ioは、PayPalやStripeといった決済パートナーによる最終的な判断を待っている状態で、今後のスケジュールは流動的だそうだ。当面は、同ストア上のコンテンツの分類見直しと、年齢制限の厳格化に取り組みつつ、こうしたアダルトコンテンツへの対応に積極的な、ほかの決済代行業者との連携を模索していくとのことである。