PCゲーム販売サイトitch.io、「すべての成人向けゲーム」を検索結果ページから除外。“ある権利団体”の抗議をきっかけに、決済代行業者の調査が入ったとして
PCゲーム販売プラットフォームのitch.ioは7月24日、すべての成人向けNSFWコンテンツのストアページについて、同サイト内でのブラウズおよび検索結果ページから除外したと発表した。

PCゲーム販売プラットフォームのitch.ioは7月24日、すべての成人向けNSFWコンテンツのストアページについて、同サイト内でのブラウズおよび検索結果ページから除外したと発表した。
成人向けNSFWコンテンツとは、いわゆるアダルトゲームなどを指している。itch.ioは、クレジットカードの決済代行業者から調査を受け、そうしたコンテンツの審査を実施することとなり、それが完了するまでの措置として閲覧制限をかけたという。
発表にてitch.ioは、あらゆる開発者にマーケットプレイスを提供し運営を続けていくためには、決済パートナーとの関係を最優先に考える必要があるとコメント。また事態は急速に進んでおり、プラットフォームの中核をなす決済インフラを保護すべく、今回緊急的な対応をおこなったとした。開発者に事前通知することもできず、またitch.ioとしても状況を完全に把握できていないとして謝罪している。
現在itch.ioは、決済代行業者の要件を満たすため、コンテンツの包括的な審査をおこなっているとのこと。その審査の完了後、新たなコンプライアンス対策が導入され、成人向けNSFWコンテンツの開発者には、自身の作品が決済代行業者のポリシーに適合しているか確認する手段が提供されるそうだ。

なお今回の発表の中では、Collective Shoutというオーストラリアの団体についても言及されている。Collective Shoutは、女性や子供の性的搾取に反対する非営利の人権擁護団体で、今年3月にリリースされた成人向けのビジュアルノベルゲーム『No Mercy』をきっかけに、同作を取り扱っていたitch.ioやSteamに対する抗議キャンペーンを実施。結果的に同作は、開発者が自らストアから取り下げることになった(関連記事)。
その後Collective Shoutは、itch.ioとSteamに存在する特定のテーマのアダルトゲームについての懸念を、VISAやMastercard、JCB、PayPalなどの決済事業者に対し表明している。itch.ioはこの件について言及しており、どうやらこれをきっかけとして決済代行業者がitch.ioを調査することになり、今回の緊急措置につながったようだ。
なお先日にはSteamでも、決済代行業者などが定める基準に沿わないコンテンツの取り締まりが開始され、成人向けゲームが相次いでストアから削除されることとなった(関連記事)。当時にも、Collective Shoutの働きかけが背景にあったのではと囁かれたが、itch.ioは発表の中で同団体を名指しした格好である。itch.ioは、現在実施している審査の結果によっては、ストアから永久に削除される作品も出てくるだろうとしている。