『Fallout』世に送り出したInterplayが多数の知的財産権を売却、70件におよぶゲームタイトルが対象

初代『Fallout』や『Baldur's Gate』シリーズで知られるInterplayは7日、自社ゲームアセットと知的財産権の売却を進めていることを明らかにした。70件近いゲームタイトルと数十のキャラクターが手放される見込みだ。

Interplay Entertainment(以下、Interplay)は7日(ロサンゼルス)、自社ゲームアセットと知的財産権の売却を進めていることを明らかにした。70件近いゲームタイトルと数十のキャラクターが手放される見込みだ。Interplayは、米カリフォルニア州ロサンゼルスに本拠を構えるゲームパブリッシャー・デベロッパー・ライセンサー。1982年の設立以降、旧『Fallout』シリーズ(財政難から倒産の危機に陥り、2007年に現在IPを保有するBethesda Softworksへ売却された)や、『Baldur’s Gate』シリーズをはじめ、数々のコンピュータゲームを世に送り出してきた。投資会社Wedbush Securitiesによると、Interplay代表Eric Caen氏は、今回の売却について、次のようにコメントしている。

「これまでInterplayは、Earthworm Jim、Freespace、Giants、Kingpin、Messiah、MDK、Run Like Hell、Sacrifice、Battle Chess、Clayfighter、Dark Alliance、Descentをはじめ、幅広く認知された数々のゲーム作品で、何百万人という人々を楽しませてきました。ゲームクリエイターとして、これらIPが長年にわたり提供してきたエンターテイメントを誇りに思います。モバイルや拡張現実、バーチャル・リアリティほか、新たな消費形態の台頭により、消費者がInterplayのキャラクターやストーリー、ゲームプレイを、これまで不可能だった方法で体験する土台が整ったことでしょう。インタラクティブエンターテイメントを象徴するユニークなポートフォリオが、世界中の観衆に向けて如何に進化していくのか。それを見届けるのが待ち遠しいです」。

近年、『Fallout Online』(2011年頃までMasthead Studiosにより開発が進められていたFalloutシリーズのMMOタイトル、2012年に全ての権利がBethesda Softworksへ譲渡された)をめぐる法廷闘争や、『FreeSpace Tactics』(1998年に発売されたPC向けスペースコンバットシム、Descent: FreeSpaceを基にした新作プロジェクト)におけるKickstarterの失敗など、90年代に隆盛を誇ったInterplayの存在感は徐々に陰りを見せている。なお、最近では、1988年に同社とBlizzard Entertainmentが共同開発したチェスゲームのリメイク作品『Battle Chess: Game of Kings』を、昨年12月にSteamでリリースした。

Ritsuko Kawai
Ritsuko Kawai

カナダ育ちの脳筋女子ゲーマー。塾講師、ホステス、ニュースサイト編集者を経て、現在はフリーライター。下ネタと社会問題に光を当てるのが仕事です。洋ゲーならジャンルを問わず何でもプレイしますが、ヒゲとマッチョが出てくる作品にくびったけ。Steamでカワイイ絵文字を集めるのにハマっています。趣味は葉巻とウォッカと映画鑑賞。ネコ好き。

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