『ハンドレッドライン(ハンドラ)』の“100個あるエンディングをもっと増やしたい”と開発者が語る。好調が続けば「TWO HUNDRED LINE」になるかも
『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』のディレクターも務める小高和剛氏によれば、本作のエンディングをさらに追加し、「TWO HUNDRED LINE」と呼べるほどにしていきたいという構想があるようだ。

トゥーキョーゲームスが手がける『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』(以下、ハンドラ)。トゥーキョーゲームスのCEOであり、本作のディレクターも務める小高和剛氏によれば、100の結末を持つ本作のエンディングをさらに追加し、「TWO HUNDRED LINE」と呼べるほどにしていきたいという構想があるようだ。GamesRadar+が報じている。
『ハンドラ』は、“極限”と“絶望”をコンセプトとするADV+SRPGだ。パブリッシャーはアニプレックスで、トゥーキョーゲームスとメディアビジョンが開発を担当する。『ダンガンロンパ』シリーズの小高氏と、『極限脱出』シリーズなどの打越鋼太郎氏がタッグを組んだ作品だ。普通の高校生・澄野拓海をはじめとする15人の学生たちは、消えない炎に包まれた最終防衛学園へ集められる。特別防衛隊として、正体不明の敵「侵校生(しんこうせい)」から学園を100日間守り抜く、絶望に染められた学園生活が繰り広げられる。

2025年4月にリリースされた本作は、単なる差分などではない濃密に描かれた100種類のエンディングが好評を呼び、Steamユーザーレビューでは約6000件中88%が好評とする「非常に好評」を獲得。「Golden Joystick Awards 2025」のBest Storytelling部門ノミネート、「日本ゲーム大賞2025」の年間作品部門での優秀賞受賞など、批評面でも高い評価を獲得した作品だ(関連記事)。
今回GamesRadar+が小高氏と打越氏に実施したインタビューでは、発売時の反響や制作のプロセスが明かされている。まず小高氏は当初、100種類のエンディングという膨大な物量に対し、プレイヤーは気に入った結末に達したらそこでプレイをやめてしまうと考えていたそうだ。ただ実際は、想定より多くのプレイヤーが100種類すべてのエンディングを体験しており驚いたという。
ちなみに本作のSteam実績では、100種のエンディングを経由しすべての実績を獲得すると得られる実績「“極限”と“絶望”」の獲得率が7.6%となっている。エンディングをすべて見るために150時間以上かかるという報告もある本作において、実績をコンプリートするほど熱中するプレイヤーが1割ほどいるというのは、小高氏にとって意外だったのかもしれない(関連記事)。

そんなエンディングのルート分岐において、小高氏は整合性よりも、各シナリオライターが『ハンドラ』の世界観を自由に表現できるように意識していたという。複数の世界線が存在する「マルチバース」のように異なる関係性や展開を含んだ多様なエンディングは、すべてのライターの個性を尊重し、個々の経験と技量が融合した結果生まれたものだったようだ。
また、打越氏は自身でもシナリオを執筆するほか各ルートの分岐についても担当しており、ロマンスやSFなど、さまざまなジャンルのストーリーを並行して制作するなかで、ジャンル間の「繋がり」に、種をまくように伏線や分岐のきっかけを仕込んでいったと回顧。ひとつのルートの最中に出てきた違和感の正体が別のルートで明かされるといった、複雑に絡み合った構成はそうして生まれていたようだ。

全エンディングを制覇する熱心なプレイヤーの存在もあってか、小高氏は更なるエンディングの追加も検討しているという。現時点で公式に発表できることはないとしながらも、本作のルート分岐システムの構造を考えれば、追加エンディングを収録したDLCの実装は技術的に十分可能であり、反響や売り上げが高ければ高いほど新コンテンツ追加の可能性が高まるとのこと。いつか「TWO HUNDRED LINE」に改名するかもしれないとジョークを交えつつ、コンテンツやエンディングを追加し、“フランケンシュタインの怪物”のようなゲームを作りたいと野心を語った。
『ハンドラ』に関しては、2025年6月に周回プレイの遊びやすさを向上する仕様改善や、バトルモードの高難易度「EXTREME & DESPAIR」などを追加した第2弾アップデートが配信されている(関連記事)。パッチノートでは第3弾以降のアップデートも予定していることが明言されているほか、本作の公式Xでは、次回の最新情報を「●●●●●●“100”日前」に公開するとしている。これらの詳細は不明ながら、今後もサポートは続いていくのだろう。
今回のインタビューでは、開発を率いた小高氏の口から新展開への意欲が伝えられたかたちだ。借金し破産のリスクを抱えながら開発を進めていたという『ハンドラ』を、さらに息の長い作品にしていきたいという意図もあるのかもしれない(関連記事)。すでに狂気的ともいえる物量を誇る本作が、今後更なる“魔改造”を施されるのか、期待したい。
『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』はPC(Steam)およびNintendo Switch向けに販売中だ。なおSteam版では1月6日まで、Nintendo Switch版では1月18日まで、それぞれ30%オフの5390円で購入できるセールも開催されている。
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