ビデオゲームの“フェイク画像”はどのように作られるのか?『BF2143』の偽リーク情報を流した犯人語る


昨日より、海外では『BF2142』の続編と見られる『Battlefield 2143』のリークイメージらしきものが出回り、『Call of Duty』と同じく『Battlefield』が近未来へと舞台を移すのではないかという噂が広まっていた。この画像の出処は海外フォーラムRedditであり、ユーザーたちがフェイクの可能性を早々に指摘したのち、スレッドを立てた本人も画像と情報は「フェイクである」と1日も経たない内に宣言した。

リーク情報のなかにフェイクが潜んでいるのは日常茶飯事であり、年々手の込んだ贋作が登場している。誰がどのような経緯で情報を発信したのかを俯瞰的に見れなければ、その真偽を推し量ることは難しい状況だ。今回の『BF2143』のフェイクイメージは明らかに怪しい部類だが、騙されたユーザーやメディアも一部登場した。これらのイメージを製作したユーザー「EJ8233」は、いかに偽リークを作り上げたのか、そのやり口をスレッド内にて語っている。

ゲームエンジン使用、3Dモデルの抽出も

スレッドタイトルは「BF2143」だった。「クオリティについてはすいません、私たちは急いでいたので」との短いメッセージと共に、ユーザー「EJ8233」は3枚の画像を公開した。『Battlefield 2143』のロゴイメージと、不鮮明なスクリーンショット2枚。いかにもスクリーンを直接カメラで撮影したようなボケに、思わず「E3で『BF2143』の極秘の関係者向け発表会でもあったのか?」と想像してしまうが、これらはいずれもフェイクイメージである。

まず『BF2143』のロゴイメージは、既存の『Battlefield』のロゴフォントを抽出しつつ、フォトショップを使用して製作されている。このイメージにはユーザー側からも怪しい点が2箇所あると早々に指摘が入っていた。あなたにはわかるだろうか。

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「2143」の数字間のスペースが異なる点、また通常は並行に同じサイズで並んでいるはずの「DICE」と「EA」のロゴが、今回はDICEロゴだけ小さく表記されている点が怪しい箇所だ。「EJ8233」は指摘の通りだとユーザーたちの鋭さを賞賛し、フォントデザインとスペーシングはフェイクを製作する際に多大な時間がかかるんだとコメント。さらに残りのスクリーンショット2枚の手口も解説し始める。

雪原のシーンはCrytekのゲームエンジン「CryEngine 3」を使用して描かれている。一部の岩やドロップシップを前作『BF2142』から借用しており、字幕と爆発効果を加えている。また『BF2142』の3Dモデルをミックスして使用している部分もあるという。もともとの画像を見るとなんのことはないフェイク画像だが、ここに不鮮明さが加わると、本物か偽物かの判断はつけにくくなる。

スレッド設立時に公開されたフェイク画像

 

もとのマテリアル画像

「EJ8233」は自身がかつて2、3年前にも『Halo 4』で同様に偽リークイメージを作り出した経験があると語っている。その際には『Halo Legends』(日米合同で製作されたOVAシリーズ)のプロトタイプHUDを調整して使用し、さらに『Halo: Combat Evolved』のスクリーンショットと『Gmod』を使用して偽イメージを作り上げた。

「EJ8233」がフェイクイメージを作り続ける理由はなんだろうか。同人物は、『BF2142』のファンを騙したことを謝罪をしつつも、「数年前に『Halo』コミュニティをめちゃくちゃにしてやったから、みんなが学んだかどうかを確かめたかったんだ。結論、みんなはまだなんにでも夢中になるようだ」と結論づけている。またThe Escapistなど、一部のメディアが今回の偽リーク情報を報道したことについて喜ぶ様子を見せており、「すべてはクリックとビジネスのため、だろ?」と続けている。