Bethesdaは「TES V: Skyrim」の教訓を持って『Fallout 4』のバグに取り組む、“安全なセーブ保存”が第一に

Bethesda Game Studiosの伝説的ゲームデザイナーTodd Howard氏は、最新作『Fallout 4』におけるバグへの対処について言及した。

Bethesda Game Studiosの伝説的ゲームデザイナーTodd Howard氏は、最新作『Fallout 4』におけるバグへの対処について、海外メディアGame Informerの取材で言及した。2011年に発売された『The Elder Scrolls V: Skyrim』では複数のバグが散見されたが、Howard氏はその際の経験を『Fallout 4』にて生かす姿勢を見せている。特にセーブデータの保存については細心の注意をはらっているようだ。

まず“どうやってバグを見つけるか”

オープンワールドにおいて、自由度が高ければ高いほど多発するのがゲームのバグだ。広大な箱庭空間のなかで、無数のアイテムと多数のクエスト、そこにNPCが絡めば、開発やQAチームも予期しないような“運命の不具合”が発生してしまう。それは賞賛を浴び続けているBethesda Game Studiosと、彼らが手がける『Fallout』や『The Elder Scrolls』シリーズにおいても例外ではない。たとえば『The Elder Scrolls V: Skyrim』(以下、Skyrim)では、発売当初から多数のクエスト進行不能バグが存在し、PS3版においてはセーブデータのキャッシュ増大によるフレームレートの低下といった問題も存在した。

『Skyrim』についてHoward氏は、「本当にゲームを手中に収めるようになるまで、たぶん1か月から2か月はかかったよ」とコメントする。当時の開発チームは、“どうやってバグが起きるのか”や“なぜ特定のタイミングでバグが発生するのか”を探る前に、“どのようにバグを特定するか”を決定しなければならなかったという。「『Skyrim』とすべてのDLCにおけるアップデートでは、一度バグを分類して、異なるプロセスでコンテンツをチェックしていった。常に複数の問題があったんだ」と、Howard氏は当時のことを振り返っている。

2015年冬に発売予定の『Fallout 4』は、Bethesda Game Studios初となるPC/次世代機向けのオープンワールドゲームだ。新たなプラットフォームにて展開される膨大なコンテンツ量と美麗なグラフィックに比例して、バグの数も増えるのではないかという懸念がある。対してTodd Howard氏は、『Skyrim』の経験を通じて「我々はよりよい方法を学んだと思う」と伝える。

また前述したように、『Fallout 4』においてはセーブデータの安全性が第一事項となっている。「我々にとって、プレイヤーの保存したゲームは第一事項だ。ゲームがクラッシュするのは酷いかもしれないが、保存したゲームが滅茶苦茶になるほど最悪なことはない。それは我々がなんとしてでも避けたいシナリオだ」とHoward氏は続けている。

「我々は『Skyrim』をどう進ませるかで大きく進歩したが、それは『Skyrim』の最中にやりとげたことなんだ。本作はさらにその上に構築されているビルドだ」

 

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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