『Hotline Miami』の主人公「ジャケット」がフィギュア化

2012年、海外のインディーゲーム界を席捲した『Hotline Miami』の主人公「ジャケット」がフィギュアとなって帰ってくる。開発者やパブリッシャー公認のジェケット・フィギュアを製作するため、開発資金をつのるKickstarterがスタートした。

Hotline Miami』はJonatan Soderstrom氏とアーティストのDennis Wedin氏によるスウェーデンデベロッパー「Dennaton Games」が開発し2012年に発売されたゲームだ。2Dの見下ろし視点型アクションシューティングで、そのバイオレンスかつハイスピードなアクションと、謎を残す深いストーリーで国内外から高い評価を得ている。「ジャケット」とはこの『Hotline Miami』の主人公のアダ名だ。ゲーム内ではさまざまな動物マスクをかぶってロシアンマフィアたちを皆殺しにしていく殺し屋となる。

 

 

フィギュアのディテールを見ていこう。製作を担当するのは『Don't Strave』などのフィギュア化も進めているESC-TOY LTD.だ。ジャケット・フィギュアは6分の1スケールで全長12インチ(およそ30センチメートル)、関節は15か所が駆動する。肝心のマスクは虎のTonyと雄鶏のRichard、豚のAubreyの3種類で、これに病院ステージで登場した包帯を巻いたジャケットのヘッドや、ショットガンおよび野球バットや刀などの武器が収録される。100人限定の200ドルTierへ申しこめば、ゲーム内の精神世界に登場した"MIDNIGHT MIAMI MARAUDER"デザインのフィギュアがついてくる。

現在公開されているプロトタイプを一目見て、まず筆者はやや細身な印象を受けた。だがなるほど彼のプロフィールを思いかえすとこれが最適解と今は思える。ジャケットは罪の意識を感じない狂ったサイコパスでもなければ、殺しを楽しむ快楽殺人者でもない。実写のローンチトレイラーでもしめされたように、ドラッグカクテルのような日常殺人の夢にたゆたい、答えのない道を意識朦朧とすすむ男だ。筋肉隆々なのはおかしいし、かといってもやしのような男でも納得できない。中肉中背よりすこし痩せた感じはよく似合う。唯一気になるのは、Kickstarterページにて公開されているスクリーンショットをみると、光の当たる具合によってジャケットが着ている服の素材がチープにみえることぐらいだろうか。

「ジャケット」フィギュアのKickstarterにおける目標額は6万ドルとなっており、記事執筆時点ですでに3万ドル以上を獲得している。Kickstarterの終了まで30日以上が残っている点から見ても、初期ゴールを突破することは確実だろう。現時点でストレッチゴールは明らかにされていない。「Biker」が登場するかどうかには大きな注目が集まるはずだ。

Kickstarterへサポートする時に留意すべきなのは、85ドルTierでフィギュアが手に入る点と、今年発売予定の続編『Hotline Miami 2: Wrong Number』のSteamキーが25ドルTierで配布されている点だ。同作を予約購入するかわりに今回のKickstarterをサポートするのもいいかもしれない。ほかのTierにも壁紙やサウンドトラックなどさまざまな特典がついており、1500ドル以上をサポートすれば開発者2人のサインが記されたフィギュアやポスターを獲得できる。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

記事本文: 1728