Blizzard Entertainment(以下、Blizzard)は、歴代キャラクターのオールスターMOBA(Multiplayer Online Battle Arena)『Heroes of the Storm』に、スパムや誹謗中傷を目的としたチャット利用するための新たなペナルティーを実装すると、公式サイトBattle.netにて発表した。スパムおよび誹謗中傷を理由に複数回通報されたユーザーは、運営チームが調査の上悪質と判断される場合に限り、特定のチャット機能の使用が制限される。また、従来の通報カテゴリーもさらに細分化され、より具体的な選択が可能になる。
お黙り
「Silence」ペナルティーを課せられたユーザーは、プレイヤーポートレートに札付きの印が付けられ、いくつかのチャット機能が制限される。利用できなくなるのは、試合中の「Allied Chat」、「Hero League」のドラフト画面におけるチャット、「General Chat」チャンネル、カスタムチャットチャンネル。加えて、フレンド以外のユーザーに「Whispers」メッセージを送れなくなる。反対に送られてきた「Whispers」に返信することは可能。一方で、パーティー内での「Party Chat」、フレンドへの「Whispers」、パーティーを構成するための「Create」「Suggest」「Request」コマンド、フレンドリクエストの送受信、試合中にシグナルで意思表示する「Pings」は規制対象には含まれていない。
また、ユーザーを通報した際に表示されるカテゴリーもさらに細分化されるとのこと。「Abusive Chat」は誹謗中傷やヘイトスピーチ、現実における脅迫が対象となる。「Intentionally Feeding」は、嫌がらせを目的に故意に倒され続けることで敵チームに貢献する行為。「AFK/Non-Participation」は長時間ゲームを放置しているプレイヤー、もしくはプレイはしているが試合を放棄してチームに貢献しようとしないプレイヤーを指す。「Cheating/Botting/Hacking」は、プレイヤーがサードパーティーのプログラムを用いていると思われるチート行為、もしくは自動化ボットの使用が疑われるケース。「Inappropriate Name」は、言語フィルターに引っかからなかった不適切な言葉をユーザー名に使用している場合。最後に、「Spam」は同じ、あるいは類似のフレーズ、もしくは意味のない言動を頻繁に繰り返す行為や、あからさまにサードパーティーのウェブサイトを何度も宣伝しているユーザーが該当する。なお、上記の「Silence」ペナルティーは、この内「Abusive Chat」と「Spam」のカテゴリーで複数回通報を受けたユーザーに適応される。
Blizzardは、通報されたプレイヤーの行為が処罰対象に当たるかを調査する際に、該当ユーザーが使用したヒーローのメカニックも考慮に入れると説明している。例えば、本体を1箇所にとどめて仲間をサポートする「Abathur」の特性をよく理解していない初心者から「AFK/Non-Participation」と通報された場合や、「Hero League」では頻繁に煙たがられるマスコットキャラ「Murky」(とても脆く死にやすい代わりに4回倒されない限り1回とカウントされない)をこよなく愛しているからといって「Intentionally Feeding」の烙印を押された場合は、もちろんペナルティーの対象にはならない。そのほか、些細な理由による通報や、嫌がらせによる虚偽の通報を頻繁に繰り返すユーザーも調査の対象になるとしている。これらの仕様変更は次回のパッチにて実装される予定だ。
5対5という小規模のチームで競い合うMOBAゆえに1人が担う責任は重く、ランダムでマッチングした仲間内での粗暴な煽り合いは後を絶たない。それに加えて、敵チームに少しリードを奪われたくらいで負け犬根性むき出しで試合を放棄するユーザーも少なくないのが現状だ。口喧嘩の末ゲームを抜けるプレイヤーや、開始早々に諦めてしまうプレイヤーは、勝てる試合を落としてしまう原因になりかねず、ただでさえ少人数のチームに多大な迷惑をかける。こうした状況を打開するために運営は日々仕様の改善を試みているが、アンフェアなマッチングに不満を隠せないユーザーが消えることはない。望まない試合を強いられた挙句、黒星とストレスだけが溜まったという経験は誰にもあるはず。通報機能の充実でコミュニティーの発展を促すとともに、さらなるマッチングの改善にも期待したい。