国産人気フリーゲームが無断コピーされ、Steamで勝手に販売される被害発生。開発者が気づいて注意喚起し、削除される

インディー開発者のasaha氏は1月31日、自身が手がけた『Heartreasure』が他者に無断コピーされ、タイトルを変更したうえでPC(Steam)にて販売されていると注意喚起した。通報により、現在そのコピー作品はSteamから削除されているようだ。

インディー開発者のasaha氏は1月31日、自身が手がけた絵探しゲーム『Heartreasure』が他者に無断コピーされ、タイトルを変更したうえでPC(Steam)にて販売されているとして、自身のXアカウントを通じて注意喚起した。なお同氏の通報により、現在そのコピー作品はSteamから削除されているようだ。

『Heartreasure』は、ステージ内に隠されているハートを見つけてクリックする、シンプルな絵探しゲームだ。ハートを見つけるとその場所にさまざまな変化が起こるほか、色付きのハートにはクイズが存在。そのクイズを解くことでステージの新たなエリアが解放され、さらに多くのハートを探すことができる。


『Heartreasure』は、フリーゲーム投稿サイトunityroomにて2019年に公開。海外ゲーマー向けにPC(itch.io)でも無料公開されている。本作は、ハートやクイズの回答探しについ夢中になるゲームプレイや、かわいいビジュアルなどにより高い評価を獲得。その後2021年には、続編『Heartreasure2: 地下の世界』が同じくフリーゲームとして公開されている。

そうしたなか、本作のコピーゲームがPC(Steam)にて販売されていたことが判明。asaha氏とは無関係のPlayTodayなるデベロッパーが、『Heartreasure』のデータを盗用し、ゲームタイトルだけ『HeartFinder』に変更して120円程度で販売していた。さらに、続編『Heartreasure2: 地下の世界』についても無断コピーし、DLC「HeartFinder Part 2」として同じく120円程度で販売していたようだ。

『Heartreasure』
『HeartFinder』


無断コピー作品『HeartFinder』は昨年11月頃にリリースされた模様であるが、『Heartreasure』の開発者asaha氏は最近になってファンから報告を受けて、その存在を知ったようだ。両作品のスクリーンショットを比較すると、ゲームタイトル部分とゲームの進捗状況による違いが一部ある以外は、まったく同じであることが分かる。asaha氏が指摘するように、『Heartreasure』のデータをそのまんま吸い出してコピーした作品だったのだろう。同氏は、「絶対に購入しないようお気を付けください!」と注意喚起している。

なお本稿執筆時点では、『HeartFinder』およびDLC「HeartFinder Part 2」は販売停止され、Steamストアページが削除されている。asaha氏は、違反報告などができないか関係者と相談して対処すると述べていたため、報告を受けてSteam運営元のValveがすぐに対応したようだ。

一方、『HeartFinder』を販売していたPlayTodayからは、これまでのところ特に反応はない。同スタジオは、シンプルなパズルゲームをいくつかリリースしており、一見するとSteamで数多く見られる小規模スタジオのひとつといった印象。ただ『HeartFinder』は、『Heartreasure』から影響を受けたといったレベルではない、明らかな無断コピー作品。こうした他者の作品をそのまま盗用したコピーゲームは時折見られ、不正に利益を上げることが目的であると考えられる。今回の事例でも、そうした動機が背景にあったのかもしれない。

asaha氏らが手がけた『Heartreasure』は、unityroomおよびPC(itch.io)向けに無料公開中。Webブラウザ上でプレイできる。また、続編『Heartreasure2: 地下の世界』もunityroomおよびPC(itch.io)向けに無料公開中だ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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