Harmonix、『Rock Band 4』のPC移植にむけたクラウドファンディングを開始。自分で制作した楽曲を他者に売る機能も追加


アメリカのマサチューセッツ州に拠点を構えるデベロッパーHarmonixは、『Rock Band 4』のPC移植にむけたクラウドファンディングキャンペーンを開始した。クラウドファンディングサイトFigで開始されたこのキャンペーンは、150万ドルをゴールとしている。

2007年から続くHarmonixの人気音楽シリーズ『Rock Band』は、これまでコンソール機のみでリリースされていた。『Rock Band 4』が発売された10月から開発スタッフは何度も検討を重ねた結果、Figを利用してのPC版リリースを決断したようだ。『Rock Band 4』でデザイナーを担当したMatthew Nordhaus氏によると、今回の移植は“単なる移植以上”のものを目指しているのだという。

 

自分で作曲した楽曲を他者に売れる

Nordhaus氏は、PC版ではSteam Workshopを利用した“ユーザークリエィティブ”なコンテンツを用意したいと話す。以前HarmonixはRock Band Networkというサイトを運営していた。そこでは自分で制作した楽曲をXbox Liveにアップロードすることでほかのユーザーに販売することができ、購入したユーザーは『Rock Band 3』内でその楽曲を演奏することが可能であった。楽曲の販売や共有のみならず、レビューやフィードバックといった要素も充実していたというRock Band Networkだが、2014年にはサービスを終了している。しかし、今回PCに移植するにあたって、Steam Workshopを利用し同様のサービスが提供されるようだ。ユーザーがアップロードした動画をHarmonixが審査し、その審査が通れば他者に自分の楽曲を販売できるようになるという。もちろん、購入した楽曲は『Rock Band 4』で演奏が可能だ。

コンソール版『Rock Band 4』に現時点で含まれているコンテンツがすべて収録されるのはもちろんのこと、マウスとキーボードの操作にも対応する。また、これまでコンソール機向けに発売された『Rock Band』シリーズのギター型コントローラーも、ほとんどがPC版に流用可能であるとされている。

PC版の開発には約200万ドルの予算を想定しており、そのうち150万ドルをクラウドファンディングでまかない、残りの50万ドルはHarmonixが負担するようだ。現在Hamornixはイギリスに拠点を構えるSumo Digitalと共同でPC版を開発している。

以前『Rock Band 4』がPCに移植されない理由として、楽曲ライセンスのセキュリティ面に懸念があると話していたHarmonix。PlayStation 4やXbox Oneのセキュリティはハードメーカーによってある程度コントロールされている一方で、オープンなプラットフォームであるPCではHarmonixがセキュリティの責任を負う必要があるため、なにかしらの施策をしなければならないと語る。この発言はおそらく、ゲーム内にある楽曲データが抜き出される可能性などを憂慮してのものだと思われる。今回のPC移植はそれらの問題の解決に目処がついたということだろう。