名作FPS『Half-Life』の戦闘をより過激にするMod「Brutal Half-Life」がリリース

国外では、PCゲームのデータを改造したり、あるいは新しく追加したりして遊ぶ「Mod文化」が盛んであり、十数年前にリリースされたような古いゲームが現在もプレイされている。Valveが1998年にリリースした名作FPS『Half-Life』もその1つだ。海外のMod製作者Zoonyartsが、「Brutal Half-Life」のベータバージョンをリリースした。

 


より過激に、よりゴアに

 

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FPS黎明期に誕生した『Doom』には、「Brutal Doom」と呼ばれる名作Modが存在する。『Doom』をより過激かつグロテスクにし、武器の火力を高めて戦闘のテンポを加速させるModだ。「Brutal Half-Life」は、この「Brutal Doom」にインスパイアされている。本家と同様に戦闘テンポのスピードアップや高火力化、そしてさらなるゴア表現がテーマとなっている。

ゴア表現面では、独自の「Gibs(肉片)」や体の切断表現が追加されており、敵を攻撃し続けると文字通りバラバラになる。壁や床だけでなく、自身や仲間、武器の銃身にまで血液が飛び散る派手な仕様だ。血しぶき表現のために、新たなスプライトとデカールが追加されている。爆発や煙、光の表現などもそれぞれ強化されている。

アクション面では、「Brutal Doom」にも存在する「蹴り」アクションが新たに追加されており(デフォルトでQキー)、敵を蹴り飛ばして、ひるんだところにショットガンを撃ち込むといった戦闘スタイルが可能となった。新武器として、『Half-Life』の拡張パック「Opposing Force」の「M249」と、『Doom』の最強武器「BFG 9000」が追加されている。武器の所持弾数も強化されており、「Brutal Doom」らしい、撃ちまくりの戦闘アクションが楽しめるようになっている。

 

蹴りにもダメージがある。死体を踏みつければ肉片が四散する
蹴りにもダメージがある。死体を踏みつければ肉片が四散する

 


純粋な戦闘用『Half-Life』が誕生

「Brutal Half-Life」では、武器やアイテム取得時の効果音が『Doom』のものに置き換えられたり、AIが改善されていたりと細かな追加や調整が成されている。また、オープニングシーンがカットされており、いきなり戦闘シークエンスからプレイできる仕様になっている。

発売された当初、『Half-Life』は重厚なストーリーや演出面でも高評価を得た。今後、「Brutal Half-Life」でゲーム中のスクリプトシーンを削除することができれば、そういった要素に縛られず、ノンストップで最後まで戦い続けることができる『Half-Life』が誕生することになる。まだベータ段階ではあるものの、今後さらなる進化に期待したいModだ。

なお「Brutal Half-Life」はMod DBのページからインストーラーがダウンロード可能だ。『Half-Life』ディレクトリを指定してインストールすれば、Steamのライブラリに自動的に表示されるようになる。すでにSteamを起動している場合は、再起動して確認してみよう。もちろん初代『Half-Life』を購入していなければならない。

 

 

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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