動画: 『Half-Life 2』VR Mod製作近況。 バーチャルリアリティに統合されたFPSの可能性

バーチャルリアリティ(VR)ヘッドセット「Oculus Rift」が2013年に登場して以降、VRサポートを果たしたビデオゲームは数多く登場してきた。その中でも『Half-Life 2』のVR Modはチェックしておくべき作品の一つだろう。ユーザーによって収録された「Half-Life VR」の最新映像がYouTubeにて公開されている。

『HL2』のVR Modは2013年に開発が始まった。『Half-Life 2: Episode One』をVRヘッドセットOculus Riftと、RazerのPC向けモーションコントローラー「Razer Hydra」に対応させている。視線とは別にエイミングのベクトルを独自に調整できる。たとえば、右に視線をやりながら左に銃口を向けたりできるのだ。現在のバージョンでは、ほかにも残弾数などのHUDがすべて腕部のアーマーなどに統合され、没入感がアップしている。プレイヤーは頭部を上下左右に振って周囲を見わたし、両腕を上げたり下げたりして操作する。

 

 

現時点ではマウス&キーボードや家庭用ハードのコントローラー、2015年発売予定のSteam Controller(トラックパッド搭載)あたりがFPSをプレイする上での選択肢になるだろう。そこにOculus RiftとRazer Hydraの組み合わせが、現段階で特筆に値するほど斬新でリアリスティックなFPS操作体系として切りこんできている。Kinectなどのように空きスペースや面倒な調節を必要とせず、プレイヤーに求める可動部分は上半身に集約されている。そして操作そのものによるプレイヤーの物理的挙動は従来のゲームとほぼ同様かやや大きいくらいにコンパクトだが、VRとモーションコントローラーによる楽しさは失われていない。

「Half-Life VR」以外にも2013年には「HydraDeck」なるUnreal Engineデモが登場し、こちらも同じくOculus RiftとRazer HydraによるFPSプレイが話題となった。既存のディスプレイではなくHMDの映像を確認し、マウスクリックではなくモーションコントローラーのトリガーで敵を撃ちぬくのが日常になる可能性。それはすでにゼロではない。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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