恐竜サバイバルゲーム『ARK: Survival Evolved』開発が“ハッキングハンター”募集、脆弱性の情報に懸賞金100ドル

恐竜サバイバルゲーム『ARK: Survival Evolved』の開発陣は、同作のハッキングや脆弱性に関する情報を提供したプレイヤーに対して、懸賞金を与える新たな制度を発表した。

恐竜サバイバルゲーム『ARK: Survival Evolved』の開発陣は、同作のハッキングや脆弱性に関する情報を提供したプレイヤーに対して、懸賞金を与える新たな制度を発表した。どのような内容を報告すれば懸賞金が支払われるのか、そのラインは明示されていないが、報告し認証されたプレイヤーには100ドル(約1万2000円)の懸賞金が与えられるという。

“ハッキングハンター”募集中

『ARK: Survival Evolved』は、今年6月2日にリリースされた恐竜サバイバルゲームだ。プレイヤーは島に漂流した一人の人間となり、いまだ恐竜が生存する島を探索し、生きのびることを目指す。先にリリースされた『DayZ』などのように、オンラインサバイバルゲームにとってハッキングは必ず発生する大きな問題だ。脆弱性の悪用を抑止することは、開発の大きな目標のひとつだろう。Studio Wildcardは“懸賞金”を出すという試みを始めた。

『ARK: Survival Evolved』におけるハッキング情報を提供した場合、そのプレイヤーには100ドルの懸賞金が与えられることになる。対象となるのは、ゲームプレイや公式サーバー、オンラインサーバーの安定性に影響を与えるハッキングで、エイムBOTやESP(データの不正表示)、スピードハックなどは含まれない。ハッキング情報の提供方法は、Staemの最新アップデートに掲載されたメールアドレスへとコンタクトを取るかたちだ。

実際に現地時間6月23日には、ユーザー「ZeroDay(++)」がコンタクトを取り、開発陣にハッキングおよび悪用できる可能性がある脆弱性を伝える一幕があったという。報告から2時間以内にその脆弱性は確認され、ユーザー「ZeroDay(++)」には同日中にPayPalを経由して懸賞金が支払われた。

ハッキング情報を提供したユーザーに報酬を支払う制度自体はそれほど珍しいものではなく、MicrosoftやFacebook、GoogleにPayPalなどは、同様の懸賞金制度を実施している。例えばMicrosoftは、Windows 10にて展開する新ブラウザ「Spartan」の脆弱性を報告した場合、最高で1万5000ドルを提供するとしている。とはいえ、『ARK: Survival Evolved』のような単一のビデオゲームが、脆弱性の情報に金銭で報酬を与える例は珍しいといえるだろう。また本作はSteam早期アクセスを利用して販売されており、本来の“ユーザーのフィードバックを受けつつ開発を続ける”というコンセプトにもマッチしているように思える。関連知識のあるプレイヤーは、恐竜だけでなくゲーム内のハッキングも狩ってみてはいかがだろうか。

参考記事: 恐竜サバイバルゲーム『ARK: Survival Evolved』が発売1週間で売上1000万ドルを突破、40万本を販売

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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