『幻想水滸伝 I&II HDリマスター』発売や否やかなりの人気。“AAAタイトルに肩を並べるシリーズ”を目指す第一歩となるか

コナミデジタルエンタテインメントは3月6日、RPG『幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争』を発売した。本作は、さっそく高い評価を獲得しており、根強い人気の高さをうかがわせている。

コナミデジタルエンタテインメントは3月6日、RPG『幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争』を発売した。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store)/Nintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One。本作は、さっそく高い評価を獲得しており、根強い人気の高さをうかがわせている。

本作は、1995年発売の『幻想水滸伝I』と、1998年発売の続編『幻想水滸伝II』のリマスター版セットだ。グラフィックのHD化のほか、現代的な便利機能なども導入されている。

『幻想水滸伝』シリーズは、中国の古典小説「水滸伝」をモチーフに、紋章を宿す者の宿命を描いたRPGだ。本作『幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争』収録のシリーズ1作目『幻想水滸伝I』では、帝国五将軍の父を持つ主人公が108人の仲間を集め、荒んだ帝国の圧政に抗う。そして続編『幻想水滸伝II』では前作の3年後、国境紛争の絶えない世界を舞台に、主人公を含む3人の幼馴染たちの物語が描かれる。

あわせて108人の仲間の存在はシリーズ特有の要素。パーティに編成していない仲間は拠点に滞在し、仲間を増やし拠点を発展させていくことが可能だ。このほか、物語を進める中で発生する戦争イベントや、通常はパーティで隊列を組んで戦うところ、敵と1対1でバトルを繰り広げる一騎打ちイベントなども特徴となっている。

今回のリマスターにおいては、オリジナル版のイメージをそのままに背景イラストをHDグラフィック化。UI/UXの改修や、全音源の高音質化もおこなわれた。また、バトルでの「おまかせ」機能のショートカットや倍速機能、オートセーブ機能なども搭載され、より遊びやすく進化している。

本作は先日3月6日に発売。本稿執筆時点で、Steamのユーザーレビューでは約340件のうち95%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得し、PlayStation Storeでのプレイヤー評価においては約500件のうち97%が満点の星5つに投じる高評価を得ている。このほか、メディアレビュー集積サイトMetacriticではPS5版のメタスコアが79(100点満点)と、こちらも高評価である。

レビューでは、思い出の作品への懐かしさを語る国内外のファンの声が多く聞かれる。リマスターにより一新された背景とドット絵キャラの組み合わせに、最初戸惑ったという意見はあるものの、オリジナル版当時と変わらない物語や演出、また機能面についてゲームプレイを複雑化せず必要な改善にとどめたことなどが好評だ。

一方、PC(Steam)版の同時接続プレイヤー数を確認すると、発売直後からぐんぐん増加し、これまでのピーク時には約3800人に到達(SteamDB)。なかなか好調である。時間帯によるプレイヤー数の増減が比較的少ないことから、幅広い国でプレイされていることが考えられるだろう。このほか、My Nintendo Storeのダウンロードランキングにて本作は早くも4位に入っており、売れ行きも好調のようだ。

ちなみにコナミは先日、モバイル向けの新作『幻想水滸伝 STAR LEAP』の制作など、シリーズの新たな展開を発表している(関連記事)。『幻想水滸伝』シリーズプロデューサーの内藤塁氏は海外メディアBloombergとのインタビューにて、一歩ずつ前進し、ほかのAAAタイトルと肩を並べるようなシリーズにしたいと述べる。

また、『幻想水滸伝』シリーズの物語をさらに拡張させるうえでは、過去作に携わった開発者らのメモが社内に保管されており、それを参考にしているという。内藤氏は、同シリーズのクリエイターであり、コナミ退社後には『百英雄伝』を手がけた村山吉隆氏とも、生前そうした話題について意見を交わしたことがあるそうで、村山氏に誇りに思ってもらえるものを作り上げることが目標だとしている。
『幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争』は、PC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store)/Nintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One向けに発売中だ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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