11月10日の無料アップデートにより『Firewatch』のPC版(Steam)に「Free Roam」モードが追加された。この新モードは9月に発売されたXbox One版に含まれていたものであり、今回の無料アップデートでPC版にも実装された。
『Firewatch』は、主人公である森林火災監視員のヘンリーがトランシーバー越しに女性監督官のデリラとコミュニケーションを取りながら、ワイオミング州に広がる自然保護区を探索していくミステリーアドベンチャーだ。現在PC/Xbox One/PlayStation 4向けに発売されている。
「Free Roam」モードではストーリーの進行を取り除き、最初からすべてのアイテムを利用できる状態で森の中を自由に探索できる。またストーリーモードでコミュニケーションツールとして使われていたトランシーバーの代わりにカセットレコーダーを持ち運ぶことができ、背景で流れる楽曲をそのときの気分にあわせて自由に切り替えられる。昼夜サイクルも導入されたため、ときの流れとともに表情を変えていく自然の中で、ゆっくりと音楽を聴きながらハイキングやスクリーンショットの撮影を楽しめるというわけだ。
またPC版の『Firewatch』には9月に「Firewatch Audio Tour」モードも追加されている。こちらはストーリーモードに数々のコメンタリーを追加したもので、デベロッパーであるCampo Santoの開発スタッフおよび本作の声優陣による開発秘話を聞くことができる。コメンタリーは美術館のオーディオツアーのように、マップ上の各所に配置されたカセットテープから再生できる。カセットテープは100個近くあり、録音量は3時間以上にもおよぶ。新モードに含まれているのはオーディオだけではなく、開発中のコンセプトアートや各種ツールのテスト例などが各所にディスプレイされている。なお「Free Roam」および「Firewatch Audio Tour」は本編をクリアしたあとにアンロックされる。
そのほかにもデベロッパーのCampo Santoは、海外で発売されているPlayStation 4版の『Firewatch』にてPlayStation 4 Pro向けに4Kへの対応を追加したり、ValveのVRコンテンツ作成ツールである『Destinations』にて主人公ヘンリーの監視塔をVR環境で歩き回れるコンテンツを公開したりと、今年2月に本作がリリースされてから精力的なアップデートを続けている。ミステリーアドベンチャーゲームでは対応言語の追加、バグ修正、パフォーマンス向上のためのアップデートはあれど、ここまでゲーム体験を高めるために更新を続けるのは珍しいだろう。
またCampo Santoは映像制作プロダクションのGood Universeと提携し、『Firewatch』の映画化を発表したばかり。映画化のプロジェクトは始動したばかりで監督やキャスティングなど詳細は明らかになっておらず、この先も『Firewatch』に関する話題は尽きることがなさそうだ。