PC(Steam)向け『FINAL FANTASY IX』、エンカウントのオフ機能や高速モードなどテンポよく楽しめる追加要素あり


スクウェア・エニックスは2016年初旬にPC(Steam)とモバイル向け『FINAL FANTASY IX』を発売する。『FINAL FANTASY IX』は2000年にPlayStationで発売された全世界で累計出荷本数550万本以上を誇るRPGだ。旅芸人であるジタンが、アレクサンドリア王国の王女ガーネットの誘拐を企てる。しかしガーネット姫も国を出る決意をしていたことで共に旅に出るという物語だ。

Steam上のストアページを見る限りPC版には、いくつかの追加要素があるようだ。グラフィックやムービーは高解像度に対応し、劇場シーンや飛空艇の脱出など数々の名場面が美しく蘇ることになるだろう。Steamアチーブメントやコントローラーもサポートされており、Steamへの最適化も行われているようだ。特に注目したいのが、「エンカウントなし」「高速モード」といった4種類のブースト機能だ。4種類すべての機能の詳細は明かされていないが、おそらく戦闘を中心としたゲームテンポをより軽快に進めるためのものとみられる。

『FINAL FANTASY IX』は前作や前前作のようなSFを絡めた作風から一転して坂口博信氏が原点回帰のファンタジーを目指した作品だ。前向きな主人公や個性豊かな仲間が揃い、切なさや温かさが入り交じる物語により多くのファンが生まれた。しかし『FINAL FANTASY IX』はそんな高い評価を受けながらも、ロード時間や戦闘のテンポといった部分に問題を抱えていた。

敵とのエンカウントによる暗転からのロードが長く、さらには敵と対峙する画面に入っても少し待たされる。また、戦闘スピードもそれほど速いわけではないので、弱い敵との戦闘ひとつも時間が長くなり、最終的にはエンカウントすることを恐れるようになったユーザーも少なくないだろう。今回の追加要素によって、エンカウント自体がなくなったり戦闘を高速で行えるようになるならば、より快適に『FINAL FANTASY IX』をプレイできるようになるだろう。

ゲームアーカイブでプレイすれば多少は改善されるようだが、ロード時間や戦闘テンポは課題であった。

RPGの肝となるエンカウント率をプレイヤー自身が調整できるようになることには賛否両論あるものの、スクウェア・エニックスはこのシステムを『ブレイブリーデフォルト フォーザ・シークウェル』から採用しており、好評を博している。戦闘によってテンポが損なわれるという指摘の多い『FINAL FANTASY IX』にはうってつけの追加要素といえるだろう。また、前前作にあたる『FINAL FANTASY VII』のPlayStation 4版はチートを使って自分の遊びやすいようにゲームのシステムを変更することが可能であり、従来の『FINAL FANTASY』シリーズを再びリリースする際には、より遊びやすい仕様にカスタイマイズされていると考えられる。

残念ながらSteam版のストアページによると現時点では日本語はサポートされていないようだ。しかし商品説明は日本語でされており、希望は残されているようにみえる。快適になった『FINAL FANTASY IX』を日本語で遊べる日が来るのを待ちたい。