ヴァルハラゲームスタジオは、Wii U向けタイトル『Devil’s Third』をFree-to-Playタイトルとしてチューンナップした『Devil’s Third Online』を開発中だと明らかにした。対象プラットフォームはPCのみ。2015年9月以降、各地域にて順次展開されてゆく予定だが、いずれもWii U版のリリース後になるという。Wii U版『Devil’s Third』との大きな違いは、オフライン用のストーリーモードが搭載されていない点で、『Devil’s Third Online』は対戦に特化したサービスとなる。
Wii UとPCの珍しきマルチプラットフォーム
『Devil’s Third』は、2010年6月のE3にて正式発表された板垣伴信氏ひきいるヴァルハラゲームスタジオの第1弾タイトルだ。当初は販売をTHQが担当する予定だったが、発表からしばらくして同社は経営不振におちいり、2012年にパブリッシングをキャンセルしている。そして2014年のE3における任天堂プレスカンファレンスにて、Wii U向けに発売されることが発表されていた。
THQがパブリッシングをキャンセルした際に、『Devil’s Third』のIP(知的財産権)はすべてヴァルハラへと移行していたため、マルチプラットフォーム化は十分にありえた展開だ。Unreal Engineの公式ブログでは2014年6月、『Devil’s Third』がUnreal Engine 3を採用していることも明らかにされていた。しかしながら、Wii U向けタイトルがPC向けにも同時期にリリースされる、さらに一部コンテンツをカットしたF2Pであるというのは、例を見ない展開だ。
なお任天堂は2014年6月のE3で公開したトレイラーにて、『Devil’s Third』は「Only on Wii U」と伝えていたのだが、ストーリーモードを収録した『Devil’s Third』というタイトルは確かにWii Uでしか遊べないといったところだろうか。ヴァルハラゲームスタジオは、『Devil’s Third Online』の展開に関しては任天堂と事前合意していたと説明している。また『Devil’s Third Online』のパブリッシングに任天堂は恐らく関わっていない模様で、サービス地域ごとにパブリッシャーが用意されることも明らかにされている。詳細なF2Pモデルやサービス形態は、今後日本におけるパブリッシャーから発表されることとなるだろう。
『Devil’s Third』のマルチプレイヤーモードでは、ストーリーモードの敵勢力であるテロリストたちが勝利した未来が描かれている。プレイヤーは1人の傭兵として戦闘に参加、あるいはさまざまな軍(クラン)に所属して戦う。軍同士の外交や謀略にフォーカスしているのが特色で、たとえば軍と軍が同盟を組んだり、ほかの軍にスパイ行為を仕掛けることもできる。それぞれの軍は拠点を構築することが可能で、その拠点を破壊し合う戦いが同モードのコア要素となるようだ。
なお今回、Wii U版『Devil’s Third』の北米発売もあわせて発表された。海外ではYouTubeチャンネル「Unseen64」が、Wii U版『Devil’s Third』のクオリティにNintendo of Americaが満足しておらず、同作が北米では発売されないとの情報を伝えていた。Unseen64は移植版の登場が有力視されている『ZombiU』の情報をリークしていたが、今回の情報は眉唾ものだったようだ。