まったく新しい世界観と物語を描く『TES V: Skyrim』超大型Mod「Enderal」が7月配信へ。開発期間は約4年間、巨大飛行船も登場

ドイツのMod開発チーム「SureAI」は、『The Elder Scrolls V: Skyrim』の大型Mod「Enderal」のドイツ語版を、7月1日から3日にかけて配信する。

ドイツのMod開発チーム「SureAI」は、『The Elder Scrolls V: Skyrim』の大型Mod「Enderal」のドイツ語版を、7月1日から3日にかけて配信する。英語版は数週間後にリリース予定。「Enderal」は2012年6月ごろに発表されたModプロジェクトで、約4年もの月日をかけて開発が進められてきた。『TES V: Skyrim』をベースにしつつも、世界観や物語はまったく独自のものが描かれており、製作期間に見合う壮大な作品となっている。

なおゲームの動作には『TES V: Skyrim』本編のみが必要で、各種DLCを所持していなくても問題はない。

「Enderal」は『TES V: Skyrim』に新たな島やクエストを追加する類のModではなく、一から世界観を構築し新たな物語を描いた作品だ。『TES V: Skyrim』から借用しているのはゲームエンジンとグラフィックアセットのみであり、開発チームは「Enderal」を“『Skyrim』のアセットを使った新しいオープンワールド型ロールプレイングゲーム”と説明している。外見は似ているが中身はまったく異なるゲームと考えていいだろう。

20121210121725-bc444f66-laゲーム内では、かつて「浄化(Cleansing)」によって消滅してしまった文明と思わしき「プリアナス」と、心を失い狂ってしまう病気「レッド・マッドネス」に関する物語が描かれている。現時点でストーリーの謎はまだまだ多いが、プレイヤーの目的はこの浄化を防ぐこととなるようだ。映像内では歴史家らしき語り部「テアロア・アランティアル」が、浄化の背後にいる「High Ones」と呼ばれる存在や、プリアナスが浄化を防ぐために使用していたという謎のマシンなどについて伝えている。なお「SureAI」はかつて「Nehrim」と呼ばれる『TES IV: Oblivion』の超大型Modを開発したチームでもあり、「Nehrim」と「Enderal」の物語は同じ「ヴィン」と呼ばれる世界にて描かれている。

ゲーム内のワールドの広さやクエスト数は本家『TES V: Skyrim』には劣るものの、複雑でより心理的なプロットラインや、丹精込められた世界描写が「Enderal」の魅力だ。ゲームプレイも完全にオーバーホールされており、経験値ポイントやサバイバル関連のメカニック、またクラス制および特殊アビリティと共に新スキルシステムが導入されている。よりチャレンジ性の増した戦闘アクションもプレイヤーを待ち受けるという。

「Enderal」のプレイボリュームは30時間から100時間に相当するとのことで、新たなダークファンタジーRPGを探し求めていたプレイヤーにとっては吉報となりそうだ。本作の英語版は7月後半にリリース予定。なお前作「Nehrim」はすさまじい作り込みで高評価を浴び、国内でも日本語化Modが配信されていた。

Shuji Ishimoto
Shuji Ishimoto

初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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